100年後も使える日本が誇るものづくり「山葡萄のかごバッグ」。上質な山葡萄の蔓を求めて群馬の山奥へ
スタイリスト福田麻琴さんが愛してやまない「山葡萄のかご」は、ミモレストアの構想時から真っ先にお話にあがっていたもの。元々かごバッグが大好きで、自分で作ってみたいと加根古工房のかご編み教室にも通っていた福田さんと、理想の山葡萄のかごバッグを別注にて制作しました。今回は福田さんとともにかごバッグを制作いただいた群馬県の加根古工房へ。バッグ作りの様子を伺いました。まずは毎年6月、梅雨の頃に材料となる山葡萄の蔓(ツル)を採取するところから始まります。 【写真で見る】ニットやコートの装いにお洒落に馴染む「山葡萄のかご」コーディネート実例
山葡萄のツル採りは群馬の山奥へ
熊と遭遇することも珍しくない(!)という山間で、すべて人の手で採取されているのも驚きですよね。自然豊かな森林の中で育つ山葡萄のツル、大変希少な材料なんです。
ツルを加工してかごバッグへ
1つのバッグを編み上げるのに、組み手が取り組んでからおよそ70時間。多くの手間と時間が費やされて完成します。記事下にバッグを編んでいく様子が分かる動画もありますが、ひとつひとつ丁寧な手作業で行われます。
希少なかご編みの技術を次の世代に
目黒にもある工房では、かご編みのワークショップも開催され、希少なかご編みの技術を体験できる機会も。福田さんも以前通っていたそう。「元々かごバッグが好きだったので、自分の好きなデザインのものを作ってみたくなって。でも簡単ではなかったですね(笑)」(福田さん)
山葡萄のかごは100年経っても丈夫。徐々にレザーのような質感に変わる“一生もの”
今はもちろん、おばあちゃんになるまで長く使えるものを作りたい、と思ったとき最初に思い浮かんだのが山葡萄のかごバッグだった、という福田さん。10年20年と時間をかけて育てていく楽しみがあるのも魅力ですし、次の世代へ受け継ぐことができる一生ものです。 また、籐などの素材に比べて深みのある色合いも山葡萄のかごバッグならでは。夏だけでなくウールやファーなど冬の着こなしにもマッチ。洋服にも和服にも、コーディネートを問わず1年中活躍すること間違いなしの逸品です。 撮影/沼尾翔平 写真提供/加根古工房 取材・文/出原杏子 構成/朏亜希子(編集部)