拉致被害者家族の蓮池透さんが会見【全文2】
日韓関係、日朝関係についての最新情報は?
記者3:日韓関係、そして日朝関係ということでございますが今、現状どうなのか。ご存じのことを教えていただけますでしょうか。最新情報っていうのをもしお持ちでございましたら、日本は何をしようとしてるのかということを伺いたいと思います。つまり安倍首相のやり方をちょっと批判されてるわけでございますが、しかしながらこういう外交というのはプロセスでもあるのではないかと思います。彼は何かをやろうとしてるという気もするんだと思うのですが、いかがでございますでしょうか。何を彼が成し遂げようとしていると思いますでしょうか。そしてまた北朝鮮側でございますが、金正恩(キム・ジョウン)自身も何か変化をもたらされようとしているのではないかというふうに感じております。例えば北朝鮮の国会に当たるものでございますでしょうか、議会の中でその政治家を育てようとしてるのではないかということをお感じになりますでしょうか、つまり非常に強い軍をバイパスできる、飛び越えるようなそういうような体制をつくろうとしてる、そして直接いろんな外国との交渉ができるような、そういうような体制をつくろうとしてるというような感じはいたしますでしょうか。 蓮池:はい、私は少なくとも北朝鮮とは関係を持っておりませんので情報はよく分かりませんけども、これは冒頭でも申し上げましたけれども、今朝の朝日新聞の報道でもありましたが、11月から3回ほど日朝協議をやっているけれども、依然として平行線だというようなことです。冒頭で申し上げたようにそういうやっているふりっていうか、できるんですね。ですから実際やっているのか、何かやってないのか分かりませんけれども、今これこれこういうことをやってますから、もう少し、もうちょっと時間をというようなことは、政府や外務省から聞いたことは私は1回もありません。ですから彼らにとっては本当に便利な言葉だと思います。 で、ちょっと時間が経過すると新聞でちょこっと報道されるっていうようなことがあって、今やってます、あるいはやっているそぶりを見せるというのは非常に彼らにとって便利な言葉でありツールなんじゃないかなということは、これは冒頭で申し上げたとおりですけれども、やはり安倍さんは任期中に解決するって言ってるんであれば、もう少し画期的な方法を採ってほしいんですね。先ほど私がお話しましたように、彼らにメリットになることを、すぐに与えてしまうのではなくて、ぶら下げるというか見せるというような手に打つという。ですからもう考えてみれば誘拐された人間を助けるっていう非常にシンプルなことなんですけれども、これだけ複雑な関係になってしまったっていうことをもう一度よく考え直して、私はもう動機は問わない、どんな方法でもいい、それは安倍さん言ってますけども、1人10億円出せっていう日本の政治家もいますので、そういう禁じ手っていうんですかね、そういう方法も考えてもいいではないかというふうに考えています。 金正恩氏のことですけれども、私が聞いてる限り彼は非常に気が短い性格の人らしいですね。彼は国内的な経済的な施策もうまくいってないし、これといった外交成果も上げてないと。国民の支持を取り付けるためには先軍政治といった、ミサイル発射であるとかそういうものを誇示して自分の存在を国民に知らしめるしかないっていう方法を採っています。 で、短気なものですから、すぐに気に入らない人がいると粛正してしまうと。彼は小さいとき、正男(ジョンナム)氏と正恩氏と金正日(ジョンイル)氏と家族で食事をしたらしいんですよね。で、金正日氏が私の後継は正男だなって言ったときに、正恩氏は食事していた箸をぶん投げて、席を立ってしまったというようなことを私、聞いたとことあります。そういう恐怖政治ですから、例えば日本とこういうふうにやって利益を得ましょうというような、ボトムアップをできるようなシステムにはないと私は思ってます。怖いから。下手なこといったら殺される。反面、トップダウンで何かできるかっていうと、私は正恩氏にはそんな能力はないっていうふうに思ってますので、こんな金正恩政権でこの拉致問題、どうしていくのかっていうのは非常に厳しい状態にあるというふうに私は思っています。