拉致被害者家族の蓮池透さんが会見【全文2】
拉致問題も重要だが、国と国との関係改善を日本から提案するのはどうか?
記者4:今日のお話の告知、そして本のタイトルを最初に拝見しましたときには非常にアグレッシブだし、非常に狭い考えを強調するような内容になるのかなとちょっと心配してたんでございますが、お話を聞いてて非常に感銘を受けております。非常に広範囲なものの見方をされてる方だと感じでおりますし、またいろんな具体的な提言、提案をしてくださっているわけでございます。非常に考えさせられているわけでございます。私が質問したいことなんでございますが、これはクリントン政権の終わりのところだったと思うんでございますが、当時の国防長官でありましたオルブライトさんが平壌に行って、国交正常化の可能性を探ってたと思います。小泉首相も実は平壌に行ったときにも、そういうことも考えていたのではないかというふうに思ったわけでございますが、先ほど日本と関係を改善することによってこういうようなものを、何かメリットがあるよって何かぶら下げればいいというようなお話をされたわけでございますが、そのぶら下げる内容の1つとしましては、もちろん拉致問題は重要なんでございますがもっと、なんと言うんですか、もっと本当の意味の政治家、外交側になりまして、国家正常化、あるいは国と国との関係を改善するという大目的、大きな目的を、その可能性をぶら下げるということをどうお考えますでしょうか。 なぜそういうことを聞くかってことなんですが、この拉致問題ってもちろん大変重要な、大変悲劇的なものなのでございますが、この拉致問題があるために日本と北朝鮮の間の外交も拉致されてしまっているという懸念は多くの学者、私も含めてなんですけど感じてるわけでございます。ですので、パラダイム・シフトっていうことでございまして、完全に思考を変えるっていうことで、もちろん拉致問題を含めた、しかしもっと大きな国と国の関係を改善する、そういうようなアプローチをアメリカから、あるいは日本から提案する、そういうような可能性についてはどうお考えでしょうか。 蓮池:感銘いただいてありがとうございます。まず申し上げます。小泉さんも国交正常化を目指したんだというふうに思います。そのときに非常に邪魔だったのが拉致問題であって、それを認めたからっていうことでそこで終わりにしようとしたっていうのが私の考え方で。そこがボタンの掛け違いになって、今のようなことになってしまったというふうに考えています。 もちろん私も拉致問題は日朝固有の問題だと思いますが、その中に核・ミサイルの問題があります。望むべくは6者協議の再開だというふうに思ってまして、6カ国協議をやると必ず日本は拉致問題のことを言うと。諸外国のほかの方は日本はなんか拉致問題だけにこだわっていて、6カ国協議がうまくいかないということになるというふうに思うんですけども、やっぱり本当に望むべくは6カ国協議の早期再開で、おっしゃるように大局的に北朝鮮の核放棄、それからミサイルの放棄ですね。そういうものを目指していくのが私はベストだというふうに思いますが、現状を見ますとこの6カ国協議が開かれるような感じはないわけでありまして、これも理想論で言えば日朝間の問題である拉致問題と同時に日朝間の話し合いで、核ミサイル放棄というものを促していければいいと思うんですが、それも難しいと。 であるならまず拉致問題を解決して、核・ミサイルという問題はありますけれども、その問題をどうするかっていうのはちょっとこれから考えなきゃいけないとは思うんですけれども、もちろん最終的には国交正常化というものが必要だというふうに思います。戦後まったくこんな近いところにありながら、国交正常化はされていないというのが私は異常なことだと思いますので。 そのためにまず正常化をしてしまえという入口論と、いろんな拉致問題を解決したゴールとして国交正常化があるという、いわゆる出口論というのがあるんですが、私はいろいろ交渉していって正常化へ向けていろんな材料を彼らに提示して彼らの行動を促して、そして最終的には国交正常化につなげていくっていういわゆる出口論のほうがいいんではないかと現在思っております。 で、核・ミサイルについてはこれはグローバルの問題ですんで非常に難しいんですが、そういう中でも国交を持っている国々がたくさんあるわけですから、核・ミサイルの問題がありながら国交があるという国があるということを踏まえれば、この日朝間については拉致問題が解決すれば、日朝の国交正常化っていうのもありではないのかなっていうふうには考えています。 記者5:最後の質問でございますが、実際に拉致被害者は何人存在すると思いますでしょうか。 蓮池:政府認定は17人です。その中で5人帰って来ましたので、政府認定者は今のところ12人ですね。 蓮池:Thank you very much today. Nice to have talking with you. I want to say, foreign broadcasting and newspaper company, I can’t say, please help me. Please write or broadcast what Prime Minister Abe does concerning the abductee issues. Please. Thank you very much today. Thank you. (完)