緑茶飲料に各社注力、4ブランドが今春大型リニューアル、味・香りやパッケージの差別化で「どれでも同じ」から脱却へ
サントリー食品は、3月12日から緑茶「伊右衛門」(本体)の味わい・パッケージを刷新した。本体史上、最高レベルの濃さが特徴だ。イメージキャラクターも俳優の堺雅人さんと古川琴音さんに一新した。同社は濃い味わいにした背景について、「物価高が継続し、安さや量などに需要が流れる一方、わかりやすい質の良さを求める消費傾向もあり、濃い味わいのニーズが高まっている。新しい“伊右衛門”は、今できるわれわれの最高傑作だ」とした。 キリンビバレッジは、4月9日から「生茶」を大きくリニューアルする。容器・パッケージ・中味を全て刷新し、緑茶の新しい価値を創造した。特に注目はパッケージで、従来の深い緑のラベルから白を基調としたラベルへの変更により、他人と違う物を持っている“自己表現の媒体”としての価値を提供する。同社は、「生活に馴染む、お客様が生活に取り入れたくなる緑茶を目指した。飲んでいて満たされる。持っていても満たされる。そんな緑茶になりたいと考えた」としている。 アサヒ飲料は、4月2日から「アサヒ 颯」のパッケージを刷新して発売する。2023年4月に立ち上げた「アサヒ 颯」ブランドは、年間で約560万箱を販売するなどヒット商品に育っている。2年目となる今年は、販売目標を1000万箱に設定し、特徴である「微発酵茶葉」を使用していることを強調するためアイコンに加えて説明を側面に記載。“華やかで爽やかな香り”という独自価値の訴求を強化する。
コカ・コーラシステムは、4月15日から「綾鷹」を7年ぶりに大刷新する。新たな味わい・デザインにするほか、パーソナルサイズの容量は、これまでの525mlから650mlへ増量する。味わいは、生活者が求める嗜好に合わせ、「淹れたて一杯目のおいしさ」を目指して変更したという。しっかり本格的な旨みと軽やかな後味が特徴だ。茶葉選定を一から見直して旨み豊かな茶葉を選定することで、従来品に比べて旨みが約40%増加したとする。助川部長は、21日の発表会で「今回一番大事にしたのは、旨みと、飲み飽きない軽やかさのバランスだ。その点が“綾鷹”ならではの差別化ポイントだと思っている」と話した。
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