緑茶飲料に各社注力、4ブランドが今春大型リニューアル、味・香りやパッケージの差別化で「どれでも同じ」から脱却へ
また、「綾鷹」の開発に協力している京都・宇治の老舗茶舗「上林春松本店」の第15代上林春松氏は、今回のリニューアルについて次のように語った。「お茶の世界は、客観的に見るとずっと変わらず、伝統を守っていくものと見られがちだ。だが、歴史を学んでみるといつの時代も嗜好やニーズの変化があり、それに応える歴史の繰り返しだった」。 「消費者ニーズの変化のスピードは目まぐるしい。“綾鷹”も大きな変更をする時期に差し掛かっているという認識はあった。とはいえ成熟したブランドであり、現行品の味わいの評価も高かったので、中味を変更するのは勇気のいる決断だった。だが、高い完成度に仕上がり、大変満足している」。 カテゴリートップシェアの伊藤園「お~いお茶」は、本体で大きなリニューアルをする予定はまだ聞こえてこない。ただ、同社は季節ごとに味わいを若干変化させるなど、その時々に合った製品設計に取り組んでいるという。また、契約栽培の茶葉の使用比率を高め、着実に品質向上を進めている。 大手各社が本腰を入れて取り組む緑茶飲料市場の動きは、2024年の清涼飲料市場全体の動向を左右しそうだ。
食品産業新聞社
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