レスリング 石黒隼士が完敗で準々決勝敗退「こんなやられ方するなんて」マットで頭抱えぼうぜん「悔しい以外に出てこない」
「パリ五輪・レスリング男子フリースタイル86キロ級・準々決勝」(8日、シャンドマルス・アリーナ) 【写真】マットに横たわったまま立てず ぼう然と頭抱える石黒隼士 石黒隼士(24)=自衛隊=はブルックス(アメリカ)と対戦したが、テクニカルスペリオリティー負けの完敗で準決勝進出を逃した。 ブルックスとがっちり組み合った石黒。消極的な姿勢からアクティビティタイムが宣告され、先制こそ許したが相手を場外に押し出してタイに戻した。スピード感あふれる動きでタックルをかわすなど、均衡したまま第1ピリオドを終えた。 第2ピリオドではいきなりバックを取られ2点を奪われ、相手のタックルを返そうとした中で失敗してしまい、さらに2点が相手に加算された。以降も相手にポイントを奪われ、10点差をつけられるテクニカルスペリオリティー負けとなった。 マットで思わず頭を抱えた石黒。厳しい表情を浮かべ「悔しい以外に出てこない。優勝目指してここにきてるんで。こんなやられ方するなんて考えてなかった」と語った。相手については「手の内が分かっていて、思うように体が動かなかった。自分の未熟さが出た」と明かし、3位決定戦に進む可能性が残る中「決勝にいってくれると思うので。調整して頑張りたい」と必死に前を向いた。 初戦ではアルジェリアのベンフェルジャラと対戦。相手を圧倒しテクニカルスペリオリティー勝ちを収めて準々決勝進出を決めていた。 86キロ級では日本初となる五輪メダル獲得が期待される石黒。埼玉県加須市の花咲徳栄高出身で、母校の壮行会では「金メダルを取って帰ってくる」と自身初の五輪に向けて意欲を語っていた。 ◆石黒隼士(いしぐろ・はやと)1999年8月23日、東京都出身。181センチ。花咲徳栄高から日大に進み、現在は自衛隊に所属。19年から86キロ級で戦い、20年に全日本選手権初優勝。97キロ級で活躍していた兄・石黒峻士とは、21、23年に兄弟での世界選手権出場を果たした。今年4月のパリ五輪アジア予選で上位2人に与えられる五輪出場枠を獲得し、初の代表をつかんだ。