まさにRPGの完成型…ファミコン版『ドラクエ3』が導入した「画期的システム」を振り返る
1988年2月10日に発売されたファミコンゲーム『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。発売日に学校や会社を休んでゲームソフトを買うために並ぶ姿が報道され、社会現象にもなった作品である。 ■【画像】「かわいすぎ!」「すごいクオリティ」勇者姿で天空の剣を手にする本田翼さん シリーズ3作目となった本作は、前作までに比べて遊びやすくなるシステムが多数盛り込まれた。それまではコンティニューのために「ふっかつのじゅもん」という長い文字の羅列を記録しておく必要があったが、同作からバッテリーバックアップシステムが採用。城や教会で「ぼうけんのしょ」に記録してもらうことで、手間をかけることなくコンティニューができるようになった。 また、後の作品にもたびたび登場する転職システムも『3』で初採用されており、「戦士」「僧侶」「魔法使い」といった職業が市民権を得た作品とも言えるだろう。 今回は11月14日にHD-2D版が発売され再び脚光を浴びた『ドラクエ3』について、あまり注目されることはないが、同作から導入された画期的なシステムを振り返りたい。
■キメラのつばさとルーラの仕様変更
まずはアイテムの「キメラのつばさ」と呪文の「ルーラ」である。いずれも以前訪れたことのある城、町、村などに瞬時に移動できるのだが、行き先を選べるようになったのはこの『3』が最初だった。 『1』ではラダトーム城に戻ることしかできなかったし、『2』では最後に復活の呪文を聞いた場所に瞬時に移動できるという仕様だった。それが、『3』からは一度訪れた場所であれば、一部例外を除きほとんどの城、町、村などに移動することができるようになった。 シリーズが進むごとにマップがどんどん広くなっていく『ドラクエ』では、一度行った場所ならどこへでも行けるという仕様変更でかなり楽になったといえるし、特に序盤ではアリアハンの勇者の家に泊まって宿代を浮かせていたプレイヤーも多く、この仕様変更に助けられていたことだろう。 さらに今回のHD-2D版では洞窟などの地点へもキメラのつばさで飛ぶことができる。グラフィックにともないマップがより広大となった同作では非常に便利な機能だ。