「人間じゃない」青学大・野村昭夢が山下りのヒーローになったワケ…箱根駅伝2025「TVに映らなかった名場面」復路編
【10区】シード権争いはM-1でいう敗者復活戦だ!
今回は早々に青山学院大の優勝が見えましたから、東京国際大、東洋大、帝京大、順天堂大の4校による激しいシード権争いに注目が集まりました。 なかでも絶対にシード権を落とせなかったのが、20年連続のシード権がかかった東洋大です。東洋大は宝塚歌劇団のような熱烈なファンが多いのですが、往路では4年生の石田洸介選手、主将の梅崎蓮選手を含む、4人が怪我などの不調のため当日エントリー変更。「これは大丈夫なのか」とファンも不安に思うなか、なんとか9位にまとめ、強豪校の意地を感じました。 シード権争いまで視野に入れて戦う大学が増えてきたことも、最近の傾向です。 以前は10区を走る選手は、9区までの流れを崩さず無難に走れる選手が選ばれていました。ところが最近はラスト100m、200mで勝負できる選手が配置されています。各校が優勝争いだけでなく、シード権争いまでイメージして選手配置していることがうかがえます。 今回、箱根駅伝=M-1説を唱えてきた僕ですが、このシード権争いもまたM-1に似ていました。敗者復活戦です。 M-1は敗者復活戦の後に本戦がありますが、箱根駅伝は優勝決定後に熾烈なシード権争いがあり、最後まで盛り上がる。優勝校が決まっていても、楽しめるというのは素晴らしいストーリーです。 実際、優勝が決まっても大手町を後にする人はいません。それどころか、優勝には間に合わなくても、シード権争いが見たいと大手町に観客がどんどん集まってくる。こんな大会は他にはないでしょう。 来年はどんなドラマが見られるのか。箱根を知り尽くした青学大の牙城を崩す大学が現れるのか。楽しみにしています。 構成/林田順子(モオ) 〈シューズで見る箱根駅伝2025〉箱根ランナーの9割以上が履いていた“絶対王者”ナイキがまさかの転落…アディダスがシェア1位に大躍進した納得の理由〈出場210選手「着用シューズ一覧表」付き〉 へ続く
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