【密着】HPVワクチン無料期間が間もなく終了。女優・坂巻有紗の接種体験記
【密着】HPVワクチン無料期間が間もなく終了。女優・坂巻有紗の接種体験記
子宮頸がんの予防接種として知られるHPVワクチン。一時期の報道で不安を抱く人も多かったこのワクチンですが、今、大きな転換期を迎えています。打つタイミングを逃した人が無料で受けられるキャッチアップ接種という期間限定の機会が間もなく終了となります。今回、女優の坂巻有紗さんがHPVワクチンについて学び、坂巻さん自身もワクチン接種を体験。等身大の疑問や不安を解消しながら、同世代の女性たちへ贈る、健康な未来のためのメッセージをお届けします。 【写真】坂巻有紗、HPVワクチン接種直後「全然痛くない」
chapter1:9月中の接種で無料に!子宮頸がんを予防できるHPVワクチンとは
稲葉先生: 坂巻さんはHPVワクチンについてどのようなイメージを持っていましたか? 坂巻さん: 正直なところ、HPVワクチンについてあまり詳しくありません。私の世代では必須の予防接種ではなかったので「子宮頸がんのワクチン」という程度の認識しかありませんでした。周りの友達と話題になることもあまりなく情報不足を感じていました。HPVとは具体的にどのようなものなのでしょうか? 稲葉先生: HPV(ヒトパピローマウイルス)は、子宮頸がんなどの原因となるウイルスです。主に性行為で感染するのですが、8割くらいの方が感染することのある、ありふれたウイルスなので、どなたでもかかる可能性があります。HPVには多くの型がありますが、そのうち約15種類が子宮頸がんを引き起こす可能性があります。HPVワクチンは、この中でも特に危険性の高いものから、子宮頸がん全体のうち9割くらいを占めるウイルスに対して予防効果があります。 坂巻さん: 子宮頸がんはどのくらい深刻な問題なのでしょうか? 稲葉先生: 子宮頸がんは20代後半から40代の女性に多く見られ、年間約3000人の方が亡くなっています。とくに妊娠・出産の時期と重なることから「マザーキラー」とも呼ばれ、社会的にも大きな影響があります。しかし、HPVワクチンと定期的な検診により、子宮頸がんはかからずにすむ病気です。坂巻さんの周りでは、HPVワクチンに対してどのような感想を持つ人が多いですか? 坂巻さん: 私の周りでHPVワクチンについてあまり話題に上がることはありませんでした。ただ、最近になって友人の一人がキャッチアップ接種を受けたと聞きました。私には姉がいるのですが、姉はHPVワクチンの通知が来て接種した世代ですので、そのような上の世代の人たちとの会話では「HPVワクチン打ってないの?」という話になることはありますね。キャッチアップ接種について具体的に教えていただけますか? 稲葉先生: キャッチアップ接種は、過去にHPVワクチンの接種機会を逃した人向けの特例措置です。通常HPVワクチンは小学6年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象ですが、キャッチアップ接種では1997年4月2日から2008年4月1日生まれの女性が無料で接種できます。ただし2025年3月までの期間限定で、3回の接種を無料で接種するためには、2024年9月中に1回目の接種を行う必要があります。 坂巻さん: HPVワクチンを自費で受けるとどのくらいかかるのでしょうか? 稲葉先生: 自費で接種する場合、3回の接種で合計約10万円程度かかります。 坂巻さん: 10万円もするんですね!キャッチアップ接種を受けるにはどうすればいいですか? 稲葉先生: おそらくご自宅に接種券が届いているはずなので、それを探してみてください。もし見つからなくても、住民票のある自治体の保健所に連絡すると接種券を送ってもらえます。住民票が現住所ではなく実家にあるという方は、実家のある自治体に連絡していただくと、一旦お金を払うけれど後から戻ってくる「償還払い」という対応をしてくれる自治体が多いので、ぜひ諦めずに連絡してみてください。 坂巻さん: 接種券が見つからなくても、住民票のある自治体に連絡すれば何とかなる場合があるのですね。