日本の最先端の科学研究が一堂 「FIRST EXPO 2014」開幕
日本のトップ科学研究者30人が集う「FIRST EXPO 2014」が28日、東京のベルサール新宿グランドで始まった。3月1日までの2日間、研究者が5年間にわたり進めてきた研究の成果を発表する。
「FIRST EXPO」は、世界トップの最先端研究の推進を目指す国のプロジェクト「FIRST」の成果を発表するもの。内閣府の総合科学技術会議が30の研究プロジェクトを選定し、5年にわたって資金面などの支援を行ってきた。選ばれた研究分野も医療工学や物質材料からIT関連まで多岐にわたっている。 この日は、シンポジウム「『科学技術が拓く2030年』へのシナリオ」や、山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の研究発表などが行われた。 「FIRST」プログラムの意義を話し合うトークセッションには、免疫の動的システムの全体像解明に取り組む審良静男・大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長、将来的な体内治療を目指してナノマシンを開発している片岡一則・東京大大学院工学系/医学系研究科教授、ビッグデータの処理を1000倍速くした喜連川優・国立情報学研究所長が参加。単独の研究では得られない規模の研究資金の支援や、普段はあまりないという他分野の研究者との交流の大切さなどについて語った。
イベントには、研究者や企業関係者に混じって次代を担う高校生や大学生の姿もみられた。大学の工学部に在籍する上杉勇進さん(21)は「幅広い分野の研究を横断的に知れるのがいい。勉強へのモチベーションが上がった」、医学部に通う目時佳恵さん(20)は「iPS細胞は授業で習った。将来、医療現場で使われているかもと思うと興味深い」、将来研究者を目指しているという高校3年生の永田祥平さん(18)は「最先端の研究者に身近に触れられるいい機会になった。将来自分がどんな分野を目指すかの参考にしたい」などと感想を語っていた。 1日も引き続き、田中耕一・島津製作所 田中最先端研究所長らトップ研究者の成果発表やシンポジウムが開催されるほか、「課外授業」と銘打って、ゲストにお笑い芸人のバカリズムさんや女優の南沢奈央さんを招く催しが行われる。