市場の変動にあらがう、トレンドフォロー戦略や厳選アクティブファンド、金(ゴールド)の組み合わせも
日経平均株価が史上最大幅で下落し、また、史上最大幅で上昇するなど、株価の価格変動率が非常に大きくなっている。日本株の場合は、今年2月に日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、そこからさらに株価が値上がりして7月11日に4万2224円の高値まで進むという最高値圏での値動きとなっているだけに、そこでの波乱は、ある程度覚悟しておかなければならない動きともいえる。まして、日経平均株価は2023年の1年間で28.24%上昇し、7月11日まで半年余りでさらに26.18%上昇するという急速な値上がり局面だっただけに、何かのきっかけがあれば大きく動揺することも想定された動きの1つだったろう。ただ、7月末に日銀が利上げを決定してから、わずか3営業日で日経平均株価は19.55%も急落する事態になった。これほどの下落は、できれば経験したくないと誰もが思うだろう。新設されるファンドの中には、このような市場の変動に左右されにくいことを目指したファンドもある。過度な価格変動から資産を守るという点で注目したい。
8月16日に新規設定される「SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド」は、トレンド・フォロー戦略という考え方に基づいて、市場が上昇しても下降しても収益を確保することをめざすファンドだ。値上がりする相場と予測される場合は、まず買いつけて値上がりした時点で売却する、反対に下落する相場の場合は、売り立てて下落した後で買い戻すということを行う。上昇する、下降するという市場のトレンドを見極めることができれば、相場が上がっても下がっても常に収益を獲得できることになる。英国のマンAHLは、1987年の設立当初から、このトレンド・フォロー戦略による運用を行い、市場トレンドを補足するための運用システム開発を進めてきた。
その結果、マンAHL社が運用する「リキッド・トレンド」戦略の旗艦ファンド運用成績は、1998年6月末を100とすると、運用報酬控除後(固定報酬4%、成功報酬20%)で2024年3月末までに885になっている。この間の世界株式の598を大きく上回る成績だ。今回、国内で設定されるファンドは、運用報酬を年0.998%に固定して提供されるので、旗艦ファンドよりも高いリターンが期待できる。