【専門家・体験談】読み書きがニガテなディスレクシア(発達性読み書き障害)とは? おすすめの学習サポート・学校での対応
「教科書をスラスラと読むことができない」「書き取りに時間がかかる」など、文字の読み書きに困難が見られるディスレクシア。 普段の会話では不自由がないため、周りからは「国語が嫌いなんだな」「努力が足りないのでは」などと誤解されて、理解されにくいケースがあります。 ここでは、ディスレクシアの子どもたちが苦手なこと、その苦手を家庭や学校でどうサポートできるかをお伝えします。
ディスレクシアとは? 特性や特徴的な見え方
ディスレクシアとは学習障害(LD:Learning Disabilities)のひとつです。 知的な発達には遅れが見られないのに、文字の読み書きに困難があるのが特徴で、発達性読み書き障害、読字障害、識字障害、失読症、難読症などとも呼ばれます。 2022年に実施された文部科学省の調査では、小・中学校で「読む」または「書く」に著しい困難を示す児童・生徒の割合は3.5%(通常の学級・推定値)。LDの中でも多いタイプです。 ディスレクシアの人には、文章をスラスラと読めない、文字を正しく書けないといった特性が見られます。 この原因は、脳の発達の影響で情報処理がうまく機能しないためと考えられています。 例えば、ディスレクシアの人が文字や文章を見ると、下のような「見え方の違い」があると言われています。
・反転して鏡文字に見える ・踊るように見える ・二重に見える ・揺らいで見える また、一文字一文字を読むことはできるのに、単語や文章になるとイメージできないという人もいます。 「さかな」という文字を見ると、多くの人は、頭の中に瞬時に「魚」のイメージを浮かべます。 「あおいうみを、さかながおよいでいました。」という文であれば、「青い」「海」「魚」……等のイメージがぱっと浮かぶので、どこからどこまでが単語か瞬時に判断でき、適切な区切りを入れながらスラスラと読むことができるのです。 このとき脳は、目から入ってきた一つひとつの文字を見分ける、音と結びつける、文字から意味のある単語のまとまりを見つける、単語の意味を理解する、文全体の意味をつかむなど、様々な作業を連動させつつ、一瞬でこなしています。 ところが、ディスレクシアの場合は、「さ」「か」「な」という文字一つひとつは読めても、それが「魚」のイメージと、瞬時につながりません。 ですから、読むのにとても時間がかかります。また、文章を目で追いながら理解することが苦手なため、今どこを読んでいるかわからなくなったり、似た文字を見分けられなかったりするケースもしばしば見られます。 このように、ディスレクシアとひとくちに言っても、特徴の表れ方には個人差があります。