“札幌勢対決”を制した北海道コンサドーレ札幌U-12 REDが全国へ《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN北海道》
決勝は札幌勢対決に
4月13日、14日にかけて、北海道苫小牧市の苫小牧市緑ケ丘公園サッカー・ラグビー場(人工芝)で『2024JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN北海道』が行われた。 北海道の札幌地区と開催地である苫小牧地区から2チームずつ、そして函館、旭川、釧路、根室、小樽、空知、北空知、十勝、千歳、オホーツク、室蘭、道北/宗谷(プレーオフ)から1チームずつ、各地区予選を勝ち抜いた合計16チームが参加。試合は8人制で、12分3ピリオド制(合計36分間)のトーナメント形式で行われた。 大会のレギュレーションとして、第1ピリオドと第2ピリオドは事前に決められた8選手がプレー。第3ピリオドは登録メンバーの中から第1ピリオド、第2ピリオド連続でプレーした選手以外の8人を選び、交代も自由に行える。各選手に一定以上のプレー時間が与えられるように配慮されている一方、勝ち上がるためには各ピリオドをどのような陣容で臨むのか、そして選手層の厚さがどれだけあるのかというチームの総合力が問われることとなる。 13日には1回戦と準々決勝が行われ、DOHTO Jr U-12(千歳)、北海道コンサドーレ札幌U-12 RED(札幌)、北海道コンサドーレ札幌室蘭U-12(室蘭)、FC DENOVA 札幌(札幌)の4チームが準決勝へと駒を進めた。翌14日にはまず準決勝が行われ、DOHTO Jr U-12に6-0で快勝した北海道コンサドーレ札幌U-12 REDと、北海道コンサドーレ札幌室蘭U-12に先制されながらも追いつき、PK戦の末にこれを下した前年度大会王者のFC DENOVA 札幌が、“札幌勢対決”となる決勝の舞台に立った。
ホットラインが開通!
第1ピリオドの立ち上がりは両チームともに持ち味を発揮し、一進一退の見ごたえある攻防が展開された。しかし北海道コンサドーレ札幌U-12 REDは長身DFの熊原柏玖が相手の縦パスをことごとくブロックし、マイボールになった際にはコンサドーレのトップチームさながらにテンポよくパスを繋ぐ超攻撃的スタイルで相手を押し込んでいく。 徐々に主導権を握っていた北海道コンサドーレ札幌U-12 REDが先制点を奪ったのは第1ピリオド5分だった。左サイドDFの井口洋輝から右ウイングの宮口大輝にロングパスが通ると、宮口はドリブルでゴール前へ。相手DFが体を張ってブロックしたものの、こぼれ球を拾ったのはいつの間にか攻め上がっていた井口だった。「ゴール前に入って行って自分でシュートを打つプレーは普段からやっている」という井口のシュートは、クロスバーをかすめながらゴールに吸い込まれていった。 対するFC DENOVA 札幌は、1回戦から準決勝までの全試合で先制点を奪われながら、粘り強い戦いで勝ち上がってきたチーム。裵閏徳監督が「1点取られても頑張れると思っていたし、粘りは見せられた」と振り返ったとおり、攻め込まれながらも集中を切らさず、追加点は許さないまま第1ピリオドを終える。「相手は第1ピリオドに能力の高い選手を出してきていたので、それに対抗できるよう第1ピリオドに主力を出した」(裵閏徳監督)そうだが、第2ピリオドも主導権を握られながら無失点で耐え抜き、第3ピリオドに望みを繋ぐ。 しかし、「0-1のままでいけばチャンスを作れるかもしれない」という裵閏徳監督の期待を打ち破ったのは、またしても井口から宮口への“ホットライン”だった。第3ピリオド開始2分、井口からのロングパスを受けた宮口は見事なトラップでGKと1対1の場面を作ると、飛び出してきた相手GKの動きを冷静に見ながら、その頭上を抜くシュート。パスを出した井口が「きれいに決まった」と振り返った一撃でリードを広げる。 FC DENOVA 札幌は第3ピリオド終盤、1トップから2トップに布陣を変えて反撃を試みたが、2点のビハインドを跳ね返す力は残っていなかった。最後まで攻め続けた北海道コンサドーレ札幌U-12 REDが2-0で勝利し、2019年度大会以来となる優勝を飾った。 優勝した北海道コンサドーレ札幌U-12 REDは、5月に神奈川県で開催される「JA全農チビリンピック2024 JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」に北海道代表として出場することが決定。決勝大会までは1カ月足らずと準備期間が短く、木崎拓也監督は「このまま全国決勝大会に行っても結果は見えているので、さらに成長する必要がある」としつつ、「全国から集まるチームに自分たちがどれだけ通用するかを楽しみに参加したい」と期待を寄せた。 また、決勝で1ゴール1アシストの活躍を見せて優勝に貢献した井口は「北海道から全国決勝大会に出て優勝したチームがないので、僕たちが初優勝して歴史を作りたい」と力強く宣言した。