【2025年どうなる政治】衆参同日選挙の可能性、政権交代も?大阪・関西万博が政治不信を増幅か
■ 衆参同日選挙で政権交代の可能性 その石破政権は2025年夏、3年に1回の参議院選挙を迎えます。 岸田政権下で行われた前回2022年の参院選で自民党は63議席を獲得し、改選125議席の過半数を単独で制しました。連立与党の公明党も13議席を獲得。与党は大勝でした。 しかし、それから3年が過ぎ、自民党は苦しい立場に追い込まれています。派閥の裏金問題に責任を取る形で岸田文雄首相が退陣。2024年10月に就任した石破首相はただちに衆院を解散し、総選挙に打って出たものの、獲得できたのは自民党191議席、公明党24議席。両党の議席は過半数に届かぬ大敗を喫してしまったのです。 自民党の支持率も伸び悩みが顕著です。NHKの世論調査によると、岸田内閣末期の20%台よりは改善しているものの、直近2024年12月の石破内閣支持率は38%にとどまっています。石破政権下での衆院選実施時より6ポイントも支持率を落としており、このままでは参院選での苦戦もまぬがれません。 そうしたなか、石破首相は2024年も押し詰まった12月28日、民放の番組に出演し、「参議院選挙と衆議院選挙を同時にやってはいけないという決まりはない」との考えを明らかにしたのです。 これは、衆院で少数与党となっていることから、2025年1月から始まる通常国会で予算案が否決されたり、内閣不信任決議案が可決されたりする可能性を想定。「政府として『こういう予算や法律が正しいと思う』と説明し、審議しても、国会に『ダメだ』と言われた場合、国民に決めてもらおうというのが憲法の仕組みだ」として、夏の参院選に合わせて衆参同日選挙に踏み切ることもある、との姿勢を示したのです。 衆参同日選は過去に2回しか例がありません。最初は1980年6月。野党が可決を予測せずに出した内閣不信任決議案がたまたま可決されたため、当時の大平正芳首相が衆院を解散し(ハプニング解散)、同日選となりました。2回目は1986年7月、中曽根康弘政権下で行われました。こちらは意図的な同日選としては唯一の例です。 過去の同日選では、いずれも自民党が大勝しました。仮に石破首相が同日選に打って出ると、結果はどうなるでしょうか。 定数248の参院において、自民党は現在114議席。公明党の27議席と合わせ、連立与党で過半数の125議席を確保しています。しかし、2025年の参院選で与党が17議席を失えば、衆参両院で過半数割れとなり、政権維持はかなり困難になるでしょう。 2024年10月の衆院選では、立憲民主党や国民民主党を中心に野党が大きく議席を伸ばしており、次の参院選が衆院選との同日選になったとしても、過去2例のように「自民大勝」とはならず、むしろ政権交代の可能性が高まるかもしれません。