その「ストレス」使い方が違います―つらいストレス関連症状は漢方薬で緩和の可能性
◇漢方処方は「証」を見極められる医師に相談
漢方には「証」という概念があります。体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差を表すもので、証に合わせて薬の処方を決定します。合わない薬では、効果がみられなかったり弱まったりすることもありますので、ストレス関連症状に限らず漢方治療を受けたい方は、証を見極められる医師に相談するのがよいでしょう。一番確実なのは日本東洋医学会のウェブサイトで専門医を検索(https://www.jsom-member.jp/jsomWebMember/html/senmoni_kensaku_search.html)することです。住所と西洋医学の分野などから同学会認定の漢方専門医を探すことができます。心身症の要素がある場合には、それぞれのもとになっている病気の専門家で漢方もよく分かっている医師を探すとよいでしょう。特に体の病気がないけれど調子が悪いという方は精神科医や内科医から探してみてください。 私も東北医科薬科大学の若林病院(仙台市若林区)で漢方外来を受け持っています。お近くでストレス関連症状に困っている方がいれば、紹介状なしでも受診できますのでお問い合わせください。
◇「ストレスとうまく付き合う」のは難しい
「ストレスとうまく付き合う」などと言われますが、実際にはなかなか難しいでしょう。たとえば「気象病」の原因となる気圧低下のような物理的ストレッサーは避けようがありません。多くの方のストレス要因となっている心理・社会的ストレッサーも回避は難しい場合が多いでしょう。 しかし、ストレス反応を出にくくすることで、ストレッサーによる不調を軽減できる可能性があります。その方法の1つとして先ほどお話しした自律訓練法があります。動画配信サイトでさまざまな訓練方法が紹介されているので、参照するとよいでしょう。ある種のアロマにも抗ストレス作用があることが知られていますので、アロマセラピーも効果が期待できます。もちろん、漢方薬もストレス反応が起こりにくくなるための武器になると思います。ストレス関連症状でお困りの方は、これまでの話を参考に適切な医療を受けることもご検討ください。
メディカルノート