クリスマススイーツで「おいしい」コラボ 浜松の人気店 14日から新作発売
浜松市中央区原島町のパン店「月のパン屋さん」と同区早出町の洋菓子店「A・C・L(アルク)」が両店の技術を盛り込んだスイーツをクリスマスシーズンに合わせて14日から24日まで、期間限定で販売する。互いの店の弱点を助け合おうと今秋から始めた業務連携がきっかけになった。今後、季節ごとに新作を企画していくという。
第1弾は、互いの商品を組み合わせた「クリスマスデニッシュ」(税込み450円)と「サンタさんの三ケ日ミカンのサバラン」(520円)を企画した。クリスマスデニッシュは、月のパン屋さんが手がけるデニッシュの上にアルクのロールケーキを合わせた。サバランは、酒シロップにつけたパン生地や地元産ミカンを使って仕上げた。 アルクではサバランのみを1日20個を販売する。月のパン屋さんでは両商品を1日20個ずつ用意する。
手狭な店舗や仕入れ先、製造技術… 互いの弱点補い合う
アルクは関東の有名店で30年以上働いた経験を持つ浜松市出身の小楠智彦さん(57)が、上位リーグ入りを目指して海外でプロサッカー選手だった長男颯人さん(30)を呼んで2023年1月にオープンした。人気店に成長し、自宅敷地に建てた店舗では毎日のように商品が完売。イオンモール浜松志都呂のイベントに出店すれば、100個以上用意したシュークリームは2日連続、1時間ほどで完売した。 想定以上の売れ行きに「客が2組入るといっぱい」(小楠さん)という手狭な店舗や製造場所、駐車場の確保などが経営の課題に。材料や包装材といった仕入れ先の確保も悩みになっていた。 一方、製造や販売のスペースが十分な月のパン屋さんは、早朝のパン作り後に空く製造場所の活用方法や洋菓子づくりの指導、フルーツや生クリームを使ってパンの品質や見栄えを高めるケーキ作りの技術などを求めていた。 両者から相談を受けていた浜松商工会議所が引き合わせ、業務連携が実現した。両店の距離は直線で約2キロと近く、米やグルテンフリー材料などを使った健康志向の商品づくりに関心があることや、小楠さんと月のパン屋さんを運営する大羽の平出美香社長(56)が、同じ中学の出身だったことも縁を感じて連携を後押しした。 大羽は、月のパン屋さんとは別にパン店「焼きたてパン工房 サラブレッド」(浜松市中央区有玉南町)や生パスタ専門店「スパ152」(浜松市浜名区内野)を運営し、材料などの仕入れ先は十分。ただ、材料の中には最小注文数が大きい商品もあり、今後、月のパン屋さん内の冷凍庫や冷蔵庫をアルクと共有した上で、共同仕入れなども検討するという。