2026W杯へアメリカのピッチに不満の声続出 コパ・アメリカで浮上した芝の問題点「ピッチの芝は普通の芝ではなかった」
監督たちからは苦言も
アメリカの地で熱戦が繰り広げられているコパ・アメリカ2024。この大会は北中南米のNo.1を決めるのはもちろんだが、アメリカにとっては2026年のワールドカップ開催へ色々と調整していく場でもある。 2026年にカナダ、メキシコ、アメリカとの3カ国共同開催となっている北中米ワールドカップで成功を収められるのか。そのテストとなるが、コパ・アメリカに参加している各国からはピッチに関する不満の声が続々と出てきている。 例えば開幕戦でカナダと対戦したアルゼンチン代表監督のリオネル・スカローニは、会場となったメルセデス・ベンツ・スタジアムの芝の状態に疑問を投げかけていた。 「言い訳ではないが、ここは良いピッチではないね。正直言って、このピッチはこのレベルの選手がプレイするには適していない。今回の我々は必ずしも良い試合をしたわけではなく、ピッチの状態と相手の戦略に合わせて試合をしただけだ。このピッチの状態では、これ以上のことはできなかった。我々のパススピードを見れば分かるだろう」(『ESPN』より)。 コパ・アメリカでは合計14のスタジアムを使用しているが、その中には人工芝と天然芝のスタジアムの両方がある。メルセデス・ベンツ・スタジアムはNFLのアトランタ・ファルコンズも使用しており、『ESPN』はアメフトとサッカーには違いがあると指摘。ワールドカップ本番へ芝の状態を見直すべきではないかと伝えている。 ペルー代表のホルヘ・フォサッティ監督は大会中にDFルイス・アドビンクラがアキレス腱を痛めてしまったことについて、「今回戦ったピッチの芝は普通の芝ではなかった。天然ではなく、他所から持ち込まれた芝だ。それだと表面が少し硬くなり、まさにその場所(アキレス腱)に影響が出る可能性がある」とコメントしている。 南米サッカー連盟(CONMEBOL)のディレクターを務めるフェデリコ・ナント氏は、今大会に関しては各スタジアムの収容人数や、都市間の移動距離、インフラの問題等を考慮し、どうしても人工芝のスタジアムも使用するしかなかったとの考えを示しており、サッカー専用スタジアムのみでの大会開催は難しかったようだ。 今大会の決勝はマイアミのハードロック・スタジアムで開催されるが、ここはNFLのマイアミ・ドルフィンズが使用している。同メディアによれば、決勝の4日前から芝の張り替えなど工事が行われるという。 今大会では一部の選手や監督からピッチへの不満の声が出ており、これは2026ワールドカップへの改善点となるだろう。
構成/ザ・ワールド編集部