プレミア12で広島・小園が慣れない「2番・二塁」で躍動できた理由
広島・小園海斗内野手(24)は野球日本代表「侍ジャパン」の一員として11月のプレミア12で準優勝に貢献した。本職ではない二塁で大会ベストナインを獲得した以外に、持ち前の打撃では打率・387の好成績を残した。慣れない2番を担って躍動した背景には、井端弘和監督(49)からの言葉があった。 【写真】小園妻の美しすぎるリサ夫人 夫ばりアイブラックで現地応援 日の丸を背負って戦った時間は、何物にも代えがたい財産になった。プレミア12を終えた小園は「大きくなれたというか、成長できたかなと。そういう大会だった」と実感を込めた。 広島では三塁が主戦場だが、出場7試合は全て「2番・二塁」でスタメン出場。「セカンドで大会に出ることも、なかなかない。気持ち的にも強くなれたんじゃないかな」。代表への合流前、秋季練習では熱心に二塁で特守を受け「二遊間の動きも機敏になってくるし、うまい選手についていかないといけないので」と技術向上に励んでいた。反復を重ね、独特の緊張感が漂う国際大会での経験が成長を促した。 シーズンで2番に入った試合はわずか1試合。それでも大会では打率・387、2本塁打、8打点と躍動。好成績を収めることができた裏には、井端監督からの言葉があった。「『小細工せず、いつも通りやってくれ』と。自由な打順でもないのに、本当に感謝しかない。そのおかげで結果が出たというか、気持ちが楽になれた」。制約のある打順にも戸惑うことはなかった。計12安打のうち、実に11安打が3球目以内だったように、真骨頂の積極性を発揮。指揮官の言葉に背中を押され、「その通りできたので良かった」と振り返った。 ただ、心からは満足できていない。決勝戦の台湾戦は4打数無安打に終わり「いろんなことを考えさせられる大会だった。また頑張りたいし、リベンジしたい」と向上心をかき立てられた。 プレー以外の面で学んだのは先輩の振る舞い。DeNA・牧やソフトバンク・栗原ら、グラウンド内外でチームをけん引する姿を間近で見た。「いいものを吸収して帰りたいと思っていた。声も出ていましたし、チームを盛り上げて『ついて来い』と言ったらおかしいけど、そういう姿勢は来年に生かせると思う」 カープのレギュラーとして、今度はその経験をチームに還元する役目がある。「自分のプレーヤーとしての値打ちを上げていけるように」。有形無形の収穫を糧にして、伸び盛りの24歳はさらに大きな成長曲線を描いていく。(デイリースポーツ・向 亮祐)