「午後の紅茶」の知見を活かし工業高校生がつくる狭山の和紅茶“狭紅茶”を支援、地域密着活動で持続可能な社会に貢献/キリンビバレッジ
キリンビバレッジは、2022年7月に支援を開始し、2023年6・7月に茶摘み体験と紅茶勉強会を実施し、摘み取り方や発酵のコツ、そして紅茶の文化や抽出の仕方を紹介してきた。スリランカなど、紅茶の生産地に何度も訪れた経験を持つ高井さんは、品質を向上のために生徒たちにこれまでの知見を活かしたアドバイスを送ったという。活動は続き、2024年に入っても「紅茶セミナー」を実施し、5月には入間わかくさ高等特別支援学校、7月9日には狭山工業高校で実施した。 この狭山工業高校で行われた「紅茶セミナー」には、“狭紅茶”を中心に各校の特色を生かしながら同校とSDGsを目指して連携する川越総合高校、所沢商業高校、入間わかくさ高等特別支援学校、狭山特別支援学校狭山清陵分校からも参加した。 セミナーでは、キリンビバレッジの首都圏第一支社の野口稜平さんが紅茶の歴史や栽培方法、テイスティング方法などの知識を伝え、高井さんがおいしい淹れ方やアレンジ方法を伝授し、生徒や教師は実際に紅茶の抽出体験やアレンジティーづくりに取り組んだ。高井さんは、「おいしく淹れるには、ティーポット内で起こる茶葉の上下運動の“ジャンピング”が非常に大切です。そのポイントは水に酸素を含ませること。汲みたて、沸騰したての水を使いましょう。ペットボトルのミネラルウォーターを使う場合は開栓後によく振ると良いでしょう」とコツを紹介した。 高井さんは、生徒たちが取り組む“狭紅茶”の活動について次のように語る。「ここで体験した紅茶づくりやものづくりの魂というものを、生徒の皆さんにはずっと忘れずにいてほしいです。3年生なので、すぐに卒業されてしまいますが、みんなでひとつのものを作り上げてきた“狭紅茶”を、ずっと見続けてほしいなと思っています」。 原嶌教諭は、今後の活動について、“狭紅茶”を中心に地域でSDGsを目指す5校連携事業を進めていると話す。「狭山工業が紅茶づくりを行い、入間わかくさのカフェで提供し、その茶殻を川越総合で鶏(タマシャモ)の飼育に使用しています。この茶殻を食べた鶏は昨年元気に過ごしたと聞きました。また、所沢商業には、パッケージデザインやアレンジティーの提案などをいただいています。各校の得意なところを活かしながら、地域で“狭紅茶”を盛り上げていきたいと考えています」。 紅茶文化を日本中に広げる活動に取り組むキリンビバレッジは、高校生の“狭紅茶”づくりの支援を通じて、若年層の紅茶ユーザー開拓と地域産業の活性化に貢献していく考えだ。
食品産業新聞社
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