藤井聡太竜王「完敗」シリーズ初黒星 挑戦者・佐々木勇気八段に敗れ通算1勝1敗に 竜王戦七番勝負での敗戦は2期ぶり
将棋の第37期竜王戦七番勝負第2局が10月19・20の両日、福井県あわら市の「あわら温泉 美松」で行われ、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者の佐々木勇気八段(30)に103手で敗れた。この結果、シリーズ成績はともに1勝1敗に。注目の第3局は、中4日の10月25・26の両日、京都市の「総本山仁和寺」で指される。 【映像】藤井竜王の“あわら勝負めし”「ホルモンうどん」 絶対王者が、手痛い黒星を喫した。藤井竜王の先勝で迎えた第2局は、佐々木八段の先手で矢倉の出だしに。やや意表の戦型選択から、挑戦者がぶつけた作戦は右玉だった。積極的に指し進める佐々木八段に対し、藤井竜王はその真意を探るように居玉のままじっくり読みを入れ、雁木で対抗した。 互いに手探りの難解な中盤戦では、火花の散るような激戦へと発展。開幕局と同様に封じ手を担った佐々木八段は、前進あるのみ、とばかりに攻勢を示すと、藤井竜王も呼応。互いに強手をぶつけ合う展開となった。ここで抜け出したのは佐々木八段。右玉の作戦を活かすように決断良く指し進め、リードを拡大させていった。 藤井竜王と言えば劣勢からの大逆転を幾度となく演じてきただけに、終盤での勝負術に期待は高まる。劣勢の中でも高難度な勝負手を重ねて局面を複雑化し、挑戦者に揺さぶりをかけていった。しかし、尋常ではないプレッシャーの中でも佐々木八段の正確な対応が光る。藤井竜王は力を封じられる展開に苦しみ、最後は静かに投了を告げた。 終局後、藤井竜王は「本局は完敗だった」とコメントし肩を落とす様子も。次戦へ向けて「第3局は日にちが近いので、しっかり立て直してまた頑張りたい」と話した。 この結果、藤井竜王は第35期(2022年度)第5局以来2期ぶりの黒星を喫し、シリーズ成績はともに1勝1敗のタイとなった。次戦、京都市「総本山仁和寺」で予定されている第3局は、わずか中4日の10月25・26日とタイトなスケジュールが組まれている。藤井竜王が再び抜け出し防衛4連覇に前進するのか、勢いに乗った佐々木八段が連勝を飾るのか、息を呑む展開となることは必至だ。 (ABEMA/将棋チャンネルより)