「こんな痛いと思わなかった」…のどだけじゃなく、『餅が詰まって腸閉塞』にもご注意を
お雑煮や焼き餅など、年末年始になると餅を食べる人は増えるだろう。そのため、「餅による窒息事故に注意」という呼びかけや、「のどに詰まって救急搬送された」といったニュースを目にすることも多い。 【写真を見る】CT画像には詰まった餅がはっきりと… しかし、餅はのどに詰まるだけではないようだ。実際に、のど以外に詰まらせた人がつらかった状況を教えてくれた。 ■餅を食べて腸閉塞に?「『ちっちゃな四角いものが詰まっているみたい』って」 普段から餅を食べている“餅好き”のAさん(70代)。ある日、鍋の中に焼き餅を入れて食べたところ、便秘の症状が表れ、翌日には腹痛に襲われた。痛みを我慢できず救急外来に行くと、レントゲンを撮ることに。すると、医師にこう告げられた。 「腸にちっちゃな四角いものが詰まっているみたい」 「ちっちゃな四角いもの」とは餅のこと。鍋に入れていた消化の悪いえのきたけと餅が引っ掛かり、コンクリートのように固まって腸で詰まってしまったのだという。 Aさんは「腸閉塞」と診断され、「即入院」に。治療のため、10日間の絶食と点滴を受けるはめになった。 Aさん 「腸閉塞ってこんなに痛いものだと思わなかったから、びっくりしました。下痢の時のような痛みでもなくて…。退院しても胸から腸にかけて詰まった感じがして、本当につらかったです」 餅は窒息しやすいだけでなく、腸にも詰まってしまう…。 ならば食べない方がいいのでは…?とよぎる一方で、筆者のように正月に食べるお雑煮を楽しみにしている人も多いはず。 では、何に気を付けながら食べたらいいのか、内科医に聞いてみた。 ■CT画像にも白い塊がはっきりと…粘着性のある餅は腸にもくっつきやすい 答えてくれたのは、北品川藤クリニックの石原藤樹院長。石原院長のもとにも年末年始になると腹痛を訴え、餅による腸閉塞だと疑わしい患者が訪れるという。 そもそも、なぜ餅で腸閉塞が起こるのだろうか。 石原院長によると、餅は体内に入ると消化酵素との関係で硬くなりやすく、塊のまま腸まで流れていきやすいという。しかも粘り気があるため、腸の一部にくっついて一時的に腸が詰まった状態となってしまうのだ。