ロッテ・中森俊介「投げて体力をつけないと」、「変化球の精度をいかに高められるか」今季一軍初登板で出た課題
「6回を投げきりかったですね」。 ロッテの中森俊介は、今季初登板・初先発となった6月12日のDeNA戦をこのように振り返った。 プロ4年目の今季開幕をファームで迎え、5月の月間防御率0.69、6月5日の日本ハム二軍戦で3回・39球を投げ1失点で、中6日で一軍今季初先発のチャンスが巡ってきた。 初回、先頭の梶原昂希に対して1ボール2ストライクから、6月5日の日本ハム戦で握りを変え好感触を掴んだチェンジアップで空振り三振。そのチェンジアップについて「いい球もありましたけど、ちょっと引っ掛け気味だったので、そこは反省点ですね」と課題を口にした。 二死走者なしでオースティンに1ボールから投じた2球目の137キロスライダー空振りも良かった。「速いスライダーというか、今までは曲がりの大きいスライダーになっていたので、カット気味というか、真っ直ぐの軌道に乗せるイメージで投げていますね」と振り返った。 初回を三者凡退わずか14球で片付ける最高の立ち上がり。その裏、打線が2点を奪い2点のリードをもらった2回表も先頭の牧秀悟を三ゴロ、筒香嘉智をオールストレートで最後は「首振ってインコースの真っ直ぐを投げられたので、いいところに決まって良かった」と、インコース高めのストレートで空振り三振。山本祐大も右飛で2回も三者凡退に抑えた。 3回は二死走者なしから森敬斗にこの日初安打となる二塁打、梶原に死球を与えたが、井上絢登を一飛に打ち取った。続く4回、先頭のオースティンに内野安打で、この日初めて先頭打者の出塁を許す。牧にライトへ二塁打を打たれ、二、三塁。筒香をストレートで捕邪飛に仕留めたが、山本にセンターへの犠牲フライで1点を失う。 3-1となった5回も先頭の度会隆輝に内野安打、一死後、梶原の投ゴロを中森がファンブルし一、二塁としてしまう。それでも続く井上を中飛に打ち取りピンチを脱し、勝利投手の権利を得た。 5回終了時点で球数80球だった中森は6回もマウンドに上がる。先頭の牧秀悟に142キロのストレートで四球を与える。初回は148、9キロのストレートを投げ込んでいたが、イニングを重ねるごとにストレートの球速が落ちたことについて中森は「体力不足ですね」と反省。続く筒香をチェンジアップで空振り三振、山本を二直で2アウトとする。ここを踏ん張り6回を投げ切りたかったが、佐野恵太に四球を与えたところで降板。後を受けて登板した坂本光士郎が、度会隆輝に適時打を浴び、この日の中森は5回2/3・102球を投げ、4被安打、4奪三振、3与四死球、2失点。中森が投げ終えた時点で勝利投手の権利はあったが、7回にリリーフ陣が打ち込まれ、勝ち負けはつかなかった。 今季初登板を終え、課題点と収穫点について訊くと、「まずは自分の守備でピンチになってしまっているので、日々の練習をしっかりやらないといけないですし、あとはシンプルにどんどん投げて体力をつけないといけない。そうですね、そこですね」と反省の言葉が並んだ。 序盤は球数少なくいっていたが、中盤以降球数が増えていったのも、体力不足も関係しているのだろうかーー。 「そうですね、1巡目は真っ直ぐでどんどん押していって、2巡目変化球でカウントを整えるというところで、その変化球が決まらない。悪いカウントになってしまって、真っ直ぐを打たれるケースがよくあるので、変化球の精度をいかに高められるかだと思いますし、尚且つ真っ直ぐももっと球威があれば2巡目以降も押せると思うので、そこはまだまだ課題だなと思います」。 今回の反省を踏まえて、次回一軍で先発登板があった時には“進化”した姿を披露してほしい。「しっかりこれからも結果を出し続けて、ローテに割って入れるようにしたいと思います」。 取材・文=岩下雄太
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