名古屋駅前の野菜畑「かわええじゃないですか」 河村市長が定例会見
名古屋市の河村たかし市長は20日、市役所で定例記者会見に臨んだ。名古屋駅前の歩道の植え込みで、管理者の市に無断で野菜が栽培されていたことについて、「かわええじゃないですか」と容認する姿勢を表明。「歩道は役所のもんではない。誰かの迷惑にならん限り市民に自由にやっていただく」として、同様の場所も公募などで市民に使用を認められるか検討する方針を示した。 【動画】名古屋駅前の野菜畑「かわええじゃないですか」 河村市長が定例会見(2022年6月20日)
栽培の男性とは相談、「トマト収穫まで撤去はなし」
問題の場所は名古屋駅桜通り口前の植樹帯の一角。高層ビルの足元でタクシー乗り場なども近く、普段から人通りは多いが、2年前から市内の男性がナスやミニトマトなどを栽培し始めたという。 市は当初、無許可での栽培が道路法に抵触する恐れがあるとして、撤去を求める看板を立てたが、河村市長の容認姿勢を受けて「撤去」の文言を撤回し、連絡を求める看板に替えた。 市の担当者によると、男性とは6月17日に土木事務所で面談。男性は「草がいっぱい生えていたので、きれいにするためにやった」「営利的なことは考えていなかった」などと話した上で、騒動になったことに対して「悪かった」と謝ったという。今後の対応は引き続き男性側と話し合うが、そもそも市側の管理が行き届いていなかったという指摘もあり、市があらためて周辺の除草などを行う。 河村市長は「トマトの収穫まであと2~3か月かかるらしい。そこまでの撤去はありません」と断言。「公共用地をどうやって市民が楽しむことができるのか、役所も頭を替えてみなあかん。道路政策のええ転換点だ」などとして、こうした場所の市民による利活用を考えるよう担当部署に指示したと明かした。
愛知県新体育館のバリアフリー問題「市も意見聴く」
名古屋市が公園施設として愛知県に建設を認める愛知県新体育館の新築計画で、メインエントランスの大階段などがバリアフリーとして問題があると指摘されていることには、「障害者の皆さんの意見をちゃんと聞いて、喜んでもらえるよう最も進んだ方法を取らないかんでしょう。市と県の権限分配がどうなってるかよう分かりませんけど、努力したい」と述べた。 障害者団体などから要望があれば市長として聴き取り、県に意見を伝えることもあり得るという。この問題で、愛知県の大村秀章知事は障害者団体との話し合いに応じていない。 (関口威人/nameken)