アジア株式市場、香港や韓国などは下落もマレーシアなどが上昇 ~先月のアジア・マーケットを振り返る【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
※本稿は、チーフリサーチストラテジスト・石井康之氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。「アジアリサーチセンター」のレポートを基に、中国を中心に2024年1月のアジア・マーケットを振り返ります。
アジア:マーケット動向
⇒【株式】まちまち、【通貨】概ね下落、【債券】まちまち 【株式市場】 ◆香港や韓国などは下落も、マレーシアなどが上昇 シンガポールとの国境部に経済特区を創設すると発表したマレーシアが上昇したほか、インフレ圧力が低下し、23年第4四半期のGDP成長率が市場の事前予想を上回ったフィリピンも上昇。ベトナムは中央銀行が2024年の信用残高の伸び率目標を15%に設定したことなどが好感され、オーストラリアでは原油価格が上昇したことを受けてエネルギー関連株が上昇したほか、大手金融機関の株価も堅調に推移した。 一方、香港は23年12月の中国の消費者物価指数(CPI)の前年比伸び率がマイナスになったことなどから中国景気に対する不透明感が高まり下落。また、大手電子機器メーカーの第4四半期決算が市場の事前予想を下回ったことなどから韓国が下落し、政府が24年のGDP成長率見通しを引き下げたタイも軟調だった。 【通貨(対米ドル)】 ◆概ね下落 12月下旬以降、米ドルが上昇傾向を示したため、多くのアジア通貨が米ドルに対して下落した。景気下振れリスクが高まっているタイバーツが最も下落した。鉄鉱石市況の下落に合わせて、豪ドルが次いで下落した。 【債券(国債)市場】 ◆まちまち 国債利回りはシンガポール、韓国、インドネシア、オーストラリア等、11月から12月に大きく低下した反動から上昇した。シンガポールでは金融政策の維持が発表され、また韓国、インドネシア、マレーシアでは政策金利が維持されたが、市場への影響は限定的なものとなった。 <※参照:各国の株価指数の名称> ●中国:上海/深圳CSI300指数、●香港:ハンセン指数、●韓国:韓国総合株価指数、●台湾:台湾加権指数、●インドネシア:ジャカルタ総合指数、●マレーシア:クアラルンプール総合指数、●タイ:SET指数、●ベトナム:ベトナムVN指数、●シンガポール:シンガポールST指数、●フィリピン:フィリピン総合指数、●インド:SENSEX指数、●オーストラリア:ASX200指数
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