アジア株式市場、香港や韓国などは下落もマレーシアなどが上昇 ~先月のアジア・マーケットを振り返る【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
中国<金融市場動向>
⇒株式はもみあい、元安リスクに留意、金利はもみ合いながら低下。 【株式市場】 ◆中国景気に対する不透明感が高まる 中国CPIの前年比伸び率がマイナスとなったことや、不動産価格が低調に推移していることなどが嫌気された。景気下支えに向けて中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率の引き下げを発表し、株式市場が反発する局面があったものの、市場心理を大きく改善させるには力不足だったようだ。投資戦略においては、引き続き構造的な成長分野の有力企業、政策のサポートを得ている企業、国際競争力のある企業、増配が期待できる企業に着目し、ツーリズムや高齢化関連、環境関連や工場自動化などを長期目線では有望視できそうだ。 【為替・債券(国債)市場】 ◆元安リスクに留意 米国の利下げ観測が浮上しつつある状況下では人民元の対米ドルレートは上昇しやすいとみる。一方、1月の米雇用統計が市場予想を上回る堅調な内容であったことから短期的には米ドル上昇リスクがあることに加え、中国の金融政策は預金準備率引き下げなど緩和姿勢がすでに強化されているだけでなく、米中対立に伴う海外からの銀行融資の引き揚げリスクなどを考慮すれば、目先の元安リスクに留意したい。日本では利上げを含めた金融引き締めへの警戒感があるものの、引き締め長期化の可能性が低いことから円に対する下落リスクは限定的だろう。 ◆債券利回りはもみ合いながら低下する展開 中国では、軟調な経済指標が継続しており、人民銀行が預金準備率を市場予想以上に引き下げたことなどから、金利は低下。また、追加利下げは見送られたものの、市場では先行きの追加金融緩和が意識されていることや、中国株の下落などリスクセンチメントの悪化が継続していることから、金利は低下基調での推移。目先は、中国経済の回復の鈍さが意識されつつ、追加金融緩和への期待が高まると見込み、中国国債利回りはもみ合いながら低下する展開を予想する。
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