他人の目が気になる...人間関係の疎外感から解放される“体へのアプローチ”
あがり症で人と話すのが苦手。他人の目が気になってしまう。いつも疎外感がある...。こんなときは、頭で考えるのではなく、体に目を向けるほうが有効です。人づきあいに関する悩みに体からアプローチする簡単な方法を鍼灸師の大沼竜也氏が紹介します。 【イラストで解説】体の力みが抜ける呼吸法 ※本稿は、大沼竜也著『心と体のコリをほぐすセルフリセット』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。
信頼関係がないと、コミュニケーションに「緊張」がうまれる
日々クライアントの皆さんの話を聞いていると、多いのがコミュニケーションに関する悩みです。「人と話すときに必要以上に緊張してしまって、肩は凝るし心臓はバクバク、息は上がるし汗はかくし...」と悩みは尽きません。 こうした悩みを持つ方の特徴として、「コミュニケーション」と「緊張」が強く結びついていることが挙げられます。 人と話すときに緊張するのは、そのほとんどが相手との「信頼関係」に不安を感じている、と捉えることもできます。それは平たくいえば、相手に対して心を開いていない、受け入れる姿勢になっていないといえます。 体をガチッと緊張させることは「防御反応」ともいい、外敵から身を守るための動物的な本能です。つまり、相手との信頼がないために、本能が暴走して体が緊張している。体が緊張することで、精神的にも塞ぎ込むようになってしまいます。 しかし、現代人は社会的な動物です。積極的に人と関わることができないというのは、それなりの生きづらさに直結します。そして、これには個体差があり、コミュニケーションにストレスを感じやすい人、感じにくい人がいることも確かです。 ですが、人づきあいが苦手な方でも、コミュニケーションにおいて適切な身体イメージを持つことで、コミュニケーションが「楽しい」と思えるようになるのです。 ここでは幼い頃から人見知りだった私が、このイメージを体に覚え込ませた結果、コミュニケーションが大好きな人間に変わったやり方を紹介します。
「胸」を意識してあたたかい気持ちを受け取る
そもそも人は、言葉だけではなく、声音、目線、姿勢や抑揚、リアクションなどの身体言語を用いてコミュニケーションを取ってます。「ボディランゲージ」というと馴染みがあるかもしれません。こうした中でも、特にデリケートな部分「胸」の意識が重要です。慣れるまでは、ひとりで感覚を掴んでみましょう。 鏡の前に立ち、鏡に映る自分を相手に見立てるとわかりやすいです。まず、胸をさすって、胸の奥にソフトボール程度の球体をイメージします。このボールには、人のあたたかさや人間らしさを詰め込んだ「熱性の気」が詰まっています。ほんのりあたたかく、意識するとふわーっと胸がほぐれるような感覚をイメージしましょう。 このボールから相手(鏡に映る自分)の胸へ向かって、「柔らかな放物線」を描くようにお互いを結びます。この放物線を通して、相手からあたたかくふわーっとした気持ちを受け取るようなイメージです。 呼吸するときに重要な胸郭の中心に、柔らかなイメージを覚えさせることで、コミュニケーションが心地よいものだと記憶され、深い呼吸へと導いてくれます。イメージを体に染み付かせることで、自然と呼吸は深く、心理的にも深いリラックスをもって、人と関わることができます。