殿さまの好奇心が愛しい!週末は永青文庫の展覧会「殿さまのスケッチブック」へ
これらのスケッチは、記された地名と年号から、参勤交代の道中だったことがわかるものもあるという。また、写生だけでなく、花や葉の実物を採集して押し花や標本にすることもあった。やはりこれらも地名と年号の記録から、参勤交代の合間に採集に勤しんでいたことが明らかだ。九州から江戸までの長い道のりは、大切な仕事とはいえ、博物学的な興味からいえば「たまらない」愉しさに満ちていたことだろう。
なかでも、個人的に「そうそう、集めたくなるよね!」と殿さまの気持ちが痛いほどよくわかるのが、この《白鶴浜吹寄》だ。小さな桜貝などの二枚貝や巻貝の貝殻を分類した木箱は、ビーズやボタンのコレクションのよう。いつまででも眺めていられる。
展示を存分に味わった後は、細川家ゆかりで熊本にあった妙解寺(みょうげじ)から運ばれた石門をくぐり、肥後細川庭園へ。目白台の高台から庭を一望することができる。勾配のある散策路を下ると、回遊式の池と松聲閣が。庭園内にはベンチがふんだんに置かれているので、目白駅前で買ってきたおやつをここで食べながらのんびりするのもいいだろう。 おすすめは、そのまま庭園を散策した後に神田川を渡り、地下鉄メトロ早稲田駅まで約12分歩くルート。来た道を戻って目白台三丁目のバス停に向かうには、急勾配の坂を登らなければならないので注意が必要だ。 「殿さまのスケッチブック」 会期:~6月23日(日) 会場:永青文庫 住所:東京都文京区目白台1-1-1 BY NAOKO ANDO