ウクライナ軍、ロシア西部クルスク州で新たに攻勢か
ロシアの侵攻を受けるウクライナが昨年8月に越境攻撃を開始したロシア西部クルスク州で5日、ウクライナ軍が新たな攻勢を始めたとロイター通信などが報じた。 ロイターによると、ウクライナ政府傘下の「偽情報防止センター」のコバレンコ所長は、通信アプリ「テレグラム」で、ウクライナ軍が「複数の場所」で露軍を攻撃したと明かした。露軍にとっては予期しない攻撃だったとも述べた。 ロシア国防省も5日、クルスク州西部で、戦車2台と装甲戦闘車両12台などによるウクライナ軍の攻撃を受けたと発表した。露軍は攻撃を撃退したとも主張した。 ウクライナはクルスク州で一時1300平方キロ超を制圧した。だが露軍の反転攻勢で押し返され、12月中旬時点で占領地の約半分を奪還されたとされる。露軍は北朝鮮兵を投入して戦力を増強。ウクライナ軍も米国から供与された長射程ミサイルで攻撃するなど、攻防が激化している。 こうした中、ウクライナ軍は今月2日、州内にある露軍の司令部に対し高精度の攻撃を実施したと発表。4日にはゼレンスキー大統領が、前日からの戦闘だけで露軍が「北朝鮮の歩兵大隊とロシアの空挺部隊」に匹敵する損害を出したと述べるなど、攻撃の強化を示唆していた。【ベルリン五十嵐朋子】