こんなにあったの? 「普通」とは一味違う優雅なシューティングブレーク 21選
リライアント・シミター
リライアントは、前述のオーグルGTSの成功にいち早く着目し、クーペのシミターをベースとするシューティングブレークを作ることにした。1968年、オーグルのトム・カレン氏のデザイン協力を得て、独自のGTEを開発した。 4座の独立シートと大きなトランクを備えたシミターGTEは、フォードから供給された3.0L V6エンジンによる力強いパフォーマンスも手伝って、たちまち大ヒットとなった。熱心なファンの1人が英国のアン王女で、リライアントの歴史にさらなる華やかさを添えた。
フェラーリ・デイトナ
フェラーリ・デイトナ・シューティングブレークは複雑な血統を持つため、一歩間違えれば混乱したデザインに終わっていたかもしれない。しかし、イタリアのメカニカル、裕福な米国人オーナー、そして英国のコーチビルドによって、非常に衝撃的なフォルムが完成した。 米国のボブ・ギトルマン氏が依頼し、英国のパンサー・ウエストウインズが実現させた1台だ。荷室へのアクセスはトップヒンジ式のガルウィング・ガラスパネルからだが、ウッドとレザーで覆われたコンパートメントにあまり大きなスペースは期待できない。
ジェンセンGT
ジェンセンは、初期のボルボP1800クーペの生産には携わっていたが、1800 ESとの関係はなかった。それが、同社が1975年までシューティングブレークの人気に気付かなかった理由かもしれない。 こうして誕生したジェンセンGTは、信頼性と品質の問題をある程度解決したとはいえ、ベースとなったのは旧来のジェンセン・ヒーレーだ。荷物の積載に便利で、ロータスのエンジンも優れたパフォーマンスを発揮したが、販売は軌道に乗らず、1976年までの約1年間にわずか473台しか売れなかった。
リンクス・ジャガー・イベンター
ジャガーXJ-Sの「フライングバットレス」(リアに伸びる三角形のフィン)は、常に賛否両論だった。そこで英国のレストア会社リンクスは、リアを巧みに作り変えてシューティングブレーグとし、よりエレガントなクルマに仕上げた。 後部座席は積載スペースを最大化するために折りたたみ式となった。イベンターは1986年から2002年までの16年間に67台が生産された。