森口博子「推しがいると自分は1人じゃないと思える」50代からの新しい生きがい
「推しがいるって最高」推しのおかげで新たなコミュニティができた
――森口さんにとって、今、生きがいになっていることはありますか。 森口博子: 実は私、50代にして初めてK-POPにはまったんですよ。この歳で!みんなに「嘘でしょ?」って言われますけど、推しがいるって最高ですよね。 ILLIT(アイリット)っていう、サバイバルオーディションを経て結成された5人組の女の子のアイドルグループなんです。オーディションからずっと見ていて、そうすると感情移入しちゃって、もう親戚のおばさんかプロデューサーみたいな目線になっちゃうんです(笑)。 50代の私が、10代や20代の女の子たちの可愛いパフォーマンスにこんなにハマるとは思いませんでした。歌唱力はもちろん、ルックスもダンスの表現力も、5人全員がかわいくて上手で、本当にパーフェクトなんです。 ――推しがいることで、どんな良い影響を受けていると思いますか? 森口博子: 推しがいると毎日ご機嫌でいられるんですよ。嫌なことがあっても、帰ってきて推しの動画を見ると、体中の血流が良くなるのが分かるんです。肩の張りが軽くなって、自分が笑顔になるのが感じられます。泣きそうなときでも、こんなことで泣きたくない、ちくしょうと思いながら推しの動画を見ると、自然と笑顔になれるんです。推しがいると、自分は1人じゃないと思えて、本当に頑張れます。 それに、コンサート会場に行けば友達ができるんです。私のファンの中にもおひとり様が多いんですよ。「推しのことを語り合おう」って感じで、友達になれるし、そこからコミュニティが広がっていくんです。ファンミーティングもありますから、どんどん広がっていきますよね。 大きなコミュニティじゃなくてもいいので、自分の中で継続できる小さなコミュニティを大事にしたいなって思いますね。大人になると腰も重くなるし、「今から友達を作るのは大変だな」って思うこともあります。でも、70歳ぐらいになった時に友達がいなかったら、もっと不安になるかもって思うんです。新しく友達を作ろうとすると、結構エネルギーが必要ですからね。もちろん70歳からでも友達を作れる方はいらっしゃると思うんですけど。そう考えると、今から自分の大事なコミュニティを見直すのも大切なことなのかなと思っています。 ――これから先、どんな人生を歩んでいきたいですか。 森口博子: 私はライブが生命線なんです。今もいろんな場所を回らせていただいていますが、まだ行けていない場所もたくさんあります。そういった場所にもぜひ行って、来てくださるお客さんたちとの時間を作りたいですね。 お客さんはお金や時間を費やして、わざわざ私のライブに足を運んでくれます。「何を着ていこうかな」とウキウキしながら考えてくれている人もいるんだろうなって。でももしかしたら、泣きたいくらい辛いことがあって、その気持ちを胸に抱えながらライブ会場に来ている人もいるかもしれない。私のライブが、生きる上での喜びや悲しみ、辛かった気持ちを共鳴させることができる居場所になればいいなと思います。自然と笑顔になれて、前に進むエネルギーが湧くような。そういう居場所を、これからもどんどん増やしていきたいですね。 ----- 森口博子 1968年、福岡県生まれ。歌手・タレント。1985年8月、アニメ『機動戦士Zガンダム』の主題歌、シングル「水の星へ愛をこめて」でデビュー。1991年公開のアニメ映画『機動戦士ガンダムF91』の主題歌、シングル「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中」で、第42回紅白歌合戦に初出場を果たす。元祖バラドルとしてさまざまなバラエティ番組に出演するほか、ドラマや舞台などでも活躍する。 文:中村英里 (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました) Yahoo!ニュース Voiceでは、あなたのコメントを募集しています。なおコメント投稿にあたって、ご自身の個人情報やそれに準ずる情報の記載をすることはお控えください。