イチオシ機能の□実効空力□は本物なのか? ホンダアクセス「モデューロ」が30周年!
続いて『フィット』を使って各所にボディ補強パーツを装着した実験車への試乗。なんで空力の話にボディ補強パーツが出てくるのかといえば、ボディ補強パーツを付けるとクルマがどのように変化するかを知り、その効果を空力で表現できないかを思考するめだという。この実験車はパーツを開発するための実験車というよりは、人を開発するための実験車。
まずはすべてのパーツがついた状態で走り、その後フロントクロスメンバー付近に追加された横バーを取り外し試乗した。フロント横バーを取り外すとコーナリング時のステアリングフィールが大きく低下した。路面のちょっとした段差によってタイヤの接地状況が大きく変化し、心許ないハンドリングとなってしまう。次にフロント横バーを元に戻し、車内のバーをいくつか取り外して試す。こうすると症状がさらに悪化し、コーナリング時にクルマの動きが不安定になりクルマの動きを把握できないレベルとなる。
各所に補強パーツを取り付けた状態なので、ボディ剛性が大幅にダウンしているわけではない。ボディ剛性のバランスが崩れることによって起きる現象を体験できるのだ。開発者この実験車に乗ることでクルマの剛性バランスを理解していくというのだが、それと同じように大切なのが自分たちでいろいろと試してみることだという。「こうすれば、ああなる」を体験するために自分たちでその実験車を作っていくことが大切だというのだ。
今回の試乗会には先頃ホンダアクセスを退職した名物開発者の田正剛氏も参加していた。福田氏は「これからはまた同じようなものを次の世代の人たちが作って、勉強していくことになるでしょう」と言う。つまり、このフィットをいつまでも使うのではなく、このフィットのような実験者を若い開発者が自分たちで作って勉強していくことこそ大切だというのである。この実験車の助手席にはW124型メルセデスベンツ『Eクラス』初期型のシートが取り付けられていた。このシートの乗り心地には非常に定評があり、その乗り心地を知るために取り付けているのだという。