SUVでもやっぱりコイツはフェラーリ! プロサングエの725馬力/V12をストリートで初乗りチェック。「見るべき技術がてんこ盛り!」 【清水和夫SYE試乗】
■プロサングエをベースに「フェラーリのパナメーラ」が出る!?
2011年のジュネーブショーでフェラーリが初めて四駆を出した(Ferrari Four=FF)。それはもうしげしげとショー会場で見た。 フェラーリの場合、12気筒エンジンでもフロントミッドシップでだいぶ後方にエンジンがある。で、どうやって四駆を作ったかと言うと、フロントの縦置き12気筒エンジンの前側にフロントのデフを作って、トランスアクスルでリアにデフがあるっていうこと。エンジンとミッションの両サイドをデフで挟むような四駆。 縦置きのFR系っていうと、トランスミッションから前側に出してエンジンの下にデフを入れるみたいな、メルセデスとかBMW、GT-Rはそう。が、フェラーリの場合、エンジンが後方に位置しているから、エンジンの前側にデフ置いたというところが凄いなと思う。こういうレイアウトは前後長が短いエンジンだとできるから、スバルもそうすればいいのに!なんてその時思ったけど。 フェラーリの四駆というのはそこから始まり、その後GTC4ルッソの四駆が出てきてこれはオレも国際試乗会に行った。せっかく四駆があるということで、車高を上げてSUVを作った。と同時に2ドアのクーペではなく、5ドアハッチ(4ドア)ということ。フェラーリにしてみれば車高の高い初めてのクルマということで、非常にチャレンジングなのだ。 実際乗ってみて、日本だと50km/h、60km/h、高速道路はカーブがないからよく分からないが、はっきり言って日本では…よく分からない。これはやっぱりドイツのアウトバーンに行かなくても、ニュルブルクリンク辺りを走れば本領発揮! それか、スペインのワインディングに行って走らせたいなと思う。 ということで、フェラーリ・プロサングエには技術的に見るべきところがもの凄くある。 車高上げて中が見えるので、フェンダーの隙間をカーボンで隠しているが、私、将来この車高の低いヤツが出てくるのかな?と。そうすると、5ドアで四駆でって言うと…あ、パナメーラなのね!と。フェラーリのパナメーラ・バージョンが出てくんじゃないかなと思うんだけど。 いずれにしてもプロサングエは超魅力的なクルマ。でも、日本ではこのクルマの本領発揮できるコースはない。コーンズの専用サーキットに行かないとダメだね。 【SPECIFICATIONS】 ■フェラーリ プロサングエ Ferrari Purosangue 全長×全幅×全高:4973×2028×1589mm ホイールベース:3018mm 車両重量:2033kg 乗車定員:4名 エンジン:V型12気筒DOHC ボア×ストローク:94.0×78.0mm 総排気量:6496cc エンジン最高出力:533kW(725ps)/7750rpm エンジン最大トルク:716Nm(73.0kgm)/6250rpm ミッション:8速DCT サスペンション(前/後):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ(前/後):255/35ZR22/315/30ZR23 車両本体価格(税込):47,600,000円 https://youtu.be/-9YXBTXiGe8?si=1WyFY_F4jYtl-B1F
清水和夫