SUVでもやっぱりコイツはフェラーリ! プロサングエの725馬力/V12をストリートで初乗りチェック。「見るべき技術がてんこ盛り!」 【清水和夫SYE試乗】
■なぜ人は「V12」にいくのか? そしてBEVのフェラーリはどうなる?
なんで人々はみんなV12にいくのか…? それは、内燃エンジンとして完全バランスだからということが言える。クランクシャフトに発生する1次~6次振動ぐらいまでが限りなく0になるというような、究極の完全バランス。完全バランスはV12だけじゃなく、直6と水平対向6気筒も完全バランスと言われている。だから、ポルシェの6発、フェラーリのV12、日本ではマツダが頑張って作っているストレート6。 高速を走ると本当にフラットだ。多少路面のデコボコが来てももの凄くダンピングがいいし、ロールピッチがほとんどない。完璧なフラットライド。サスペンションが生き物みたいだ。動物のアンヨみたいな感じ。 でも、今フェラーリ買うんだったら何がいいかな? この前1030psの凄いストラダーレSF90 XXに乗ってきた。が…ウーン、アレもいいけど、プロサングエもいいんだけど…。普通のGTC4ルッソでもいいかなって思う。昔の612スカリエッティ(Scaglietti)とか。V8ターボもいいが、オレはやっぱり『いつかはフェラーリのV12』は持ってみたいなと思っている。 この辺のコツコツとした時のサスの初期のあたりのちょっとしたマイルドなところと、その先はビシッとこうダンピングさせるところ、そのバランスがいいね。 フェラーリはバッテリーEVを作ろうと思ったら、どこかからかバッテリーを調達してきてモーターで走らせればいい。それをどういうDNAで走らせるか、どこに魂を入れるか?というのが大事。電気自動車になってもフェラーリの魂というのはずっと続けられると思う。 このフェラーリのSUVに乗っていると、SUVという軸で見た時には、マツダのラージ軍、FRベースのCX-60、70、80、90、こういったシリーズもあるし、クラウンはFR系をやめてセダンではあるが全部エンジン横置きにして。その辺りからセンチュリーとか2000万円のミニバン、レクサスLMも出てきている。エンジンを縦に置くとフロントのデフの配置が困る。エンジン横に置いちゃった方がパッケージ的には楽なのかもしれない。