「太田(蒼生)さん…なんであんな強いんだろ」箱根駅伝ライバル校“青学大へのホンネ”…駒大・大八木総監督もかつて「約2分だと差はない」
往路優勝でも大八木監督が“警戒”したワケ
<名言2> 2分ぐらいだと、差はないのと同じですよ。 (大八木弘明/NumberWeb 2023年1月2日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/856074 ◇解説◇ ここ10年、大学駅伝界で青学大と激しい鍔迫り合いを見せてきた学校の筆頭格と言えば、駒澤大学である。 中谷圭佑、西山雄介、田澤廉、鈴木芽吹、篠原倖太朗、佐藤圭汰……と数多くの名ランナーを輩出し、ここ5年の箱根では総合優勝2回、2位2回、3位1回と安定した成績を残してきた。その中で最も会心だったのは、2023年の第99回だった。 12月に体調不良になった田澤を花の2区で起用せざるを得ない区間配置だったものの、首位・中央大やライバル青学大とほぼタイム差のない状況でタスキをつなぐ。そして中央大をかわして一度は首位に立った4区・鈴木は、青学大・太田蒼生の猛烈な追走にも粘りを見せてタイム差1秒で5区へと突入。山上りを任された山川拓馬は「ここでトップの座を渡すわけにはいかないと気合が入りました」と、2位に再浮上した中央大に30秒差、青学大には2分3秒差をつけて往路優勝を果たした。 それでも当時の監督・大八木は冒頭に取り上げたように、約2分の差を“あってないもの”として捉えていた。それは青学大の総合力を警戒、リスペクトしてのことだったのだろう。 「7区、8区、9区で相手を突き放すレースができればいいなと思います。今日の粘りをあしたの選手にも期待したいですね」 この言葉通り、駒大は6区・伊藤蒼唯の区間賞を皮切りに、10区まで全員のランナーが区間5位以内の走りを見せ、総合優勝と復路優勝も成し遂げる“パーフェクトゲーム”となった。
1年前、佐藤圭汰は「太田さん、強すぎでした」と
<名言3> 太田さん、強すぎでした。 (佐藤圭汰/NumberWeb 2024年1月3日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/860237 ◇解説◇ 2023年の正月の歓喜から一転、1年後は駒大の選手が悔しさを味わった。篠原倖太朗が1区で区間賞を獲得し、その時点で青学大とは35秒差と好スタートを切った。藤田敦史監督が「1区から3区でリードし、4区でさらに差を広げるというプラン」と語っていた青写真が現実になりそうな気配があった。しかし……決して悪くない走りだったはずの2区の鈴木芽吹が黒田朝日に22秒差まで詰められると、さらに暗転したのが佐藤圭汰が走った3区だった。 佐藤の実力からすれば差を広げるはずが、13.9キロ地点で追走してきた太田蒼生に並ばれる。ここから太田にピタリとつかれた佐藤は心理的にも厳しい戦いを強いられた。そして……。 「ラスト2キロぐらいから足が寒さのせいか、動かなくなってしまって……。襷を1位でもらった以上、さらに突き放してやろうと思ったんですけど、難しかった」 18.22キロ地点で前に出た太田に順位をひっくり返されたのだった。佐藤のコメントは、重いものだった。 「なんで、あんな強いんだろ」
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