京都「祇園祭の和菓子」7月31日まで!今しか楽しめない特別なお菓子3選
季節の移ろいを、素材と見た目で表現する和菓子。なかでも京菓子は、芸術の域に達する繊細な表現力で、夏の情景や涼感を求めるみやこの人々を魅了してきました。旬の素材が生み出す味わい、季節を先取りした意匠、さらには季節や行事、和歌、文学などから取り入れた美しい菓銘(かめい)の響きによって、京菓子は文字通り五感で楽しむ文化として、今日に受け継がれています。祇園祭の期間(7月1日から7月31日まで)だけに楽しめる特別なお菓子をご紹介します。
亀屋伊織(かめやいおり)|団扇(うちわ)、波
創業400年を超える茶席専用の干菓子専門店。「伊織」の号は御所百官名のひとつ。現当主は18代目になる。お稚児さんをあおぐ団扇と波模様を模した、夏ならではの干菓子。(2種10人分2,916円) 【亀屋伊織】 京都府京都市中京区二条通新町東入ル 営業時間/9時~17時 定休日/日曜 要予約、発送不可
鍵善良房(かぎぜんよしふさ)|祇園まもり
享保年間に創業し、明治時代に現在の四条通へ。一文字という鉄板の上でカステラ生地を焼き白い求肥を巻いて、八坂神社の御紋・巴に木瓜(ぼけ)の焼き印を押したこの時期だけの菓子。(3個入り1,050円) 【鍵善良房】 京都府京都市東山区祇園町北側264 営業時間/9時半~18時 定休日/月曜(祝日の場合は翌日)
亀廣永(かめひろなが)|したたり
“洛中名水の一”と謳われた「菊水の井戸」に縁の深い菊水鉾に献上する琥珀羹は、夏の京都を代表する人気菓子。黒糖を生かした寒天はみずみずしく、まさに「滴る」ような食感。(1棹1,300円) 【亀廣永】 京都府京都市中京区高倉通蛸薬師上ル 営業時間/9時~18時 定休日/日曜・祝日 編集・文=柏木敦子(婦人画報編集部) 『婦人画報』2024年8月号