侍ジャパン・戸郷翔征、柱の覚悟 ダルの背中見て学んだリーダーシップで投手陣引っ張る
野球日本代表「侍ジャパン」が30日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(11月9日開幕、東京ドームほか)に向けて、宮崎市の清武総合運動公園で事前合宿2日目を行った。昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表として世界一に輝いた巨人・戸郷翔征投手(24)は投内連係などで調整。井端弘和監督(49)が先発陣の柱として期待する右腕は、「僕が投げるときはそういう気持ちでいきたい」と自覚をにじませた。 年齢も役割も変わって、地元の宮崎に帰ってきた。実績と経験を兼ね備えた今季12勝の戸郷が、頂を目指す出発地として慣れ親しんだ土地で〝柱〟としての決意を示した。 「侍(ジャパン)は誰かが主役ではないし、活躍している方がきている。僕が引っ張るとかではないけど、試合で投げるときはそういう気持ちでいきたい」 連覇を狙うプレミア12は、日本代表の今後を見据え、主要な国際大会でプレー経験のない選手が多く選出。ここぞの場面では経験も武器になる国際大会だけに、井端監督は、昨年3月のWBC日本代表で世界一に貢献した右腕に投手陣の中心として期待する。WBCでリーダーシップを発揮したダルビッシュ(パドレス)の背中を見てきた右腕が、高橋宏(中日)と才木(阪神)ら先発陣の軸としてプレーで先導する。 結束力を高める決起集会の開催も心待ちにした。昨年2月の宮崎でのWBC日本代表合宿では、ダルビッシュの呼びかけで開催された〝宇田川を囲む会〟でタクシーや焼き肉店の手配係を担った。今合宿中ではすでに井上(巨人)、高橋宏、清水(中日)と食事をするなど交流を深めている。3年連続12勝をマークするなど実績十分でも、まだ24歳。あくまで先輩たちの都合を優先した上で「(チームがまとまる意味で今合宿中に)コーチも含めてみんなでやりたい」と目を輝かせた。 ブルペン入りは第2クール以降を検討しており、この日は、投内連係など軽めの調整で汗を流した。「試合まで日にちがあるので徐々に(状態を)上げていければ」。自身2度目の世界一へ、背番号20が役割を全うする。(樋口航)