顧客ニーズに応えるために挑戦--リョーサン菱洋ホールディングス・中村社長
2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。 リョーサン菱洋ホールディングス 代表取締役社長執行役員 中村守孝氏 2024年は、AIの活用やDX推進による国内半導体産業の基盤強化、自動車産業におけるビジネスモデルの変革など、環境変化がさらに加速した一年でした。何よりも中国をはじめとしたグローバルな競争構造の変化の中で、日本企業の迅速な対応の必要性が一気に高まった1年であったといえます。リョーサン菱洋グループは、「お客さまのニーズにお応えし社会に必要とされる企業になる」を経営ビジョンに掲げ、2024年4月、新たな船出を切りました。 新たな成長機会の獲得を目指してスタートした一年ではありましたが、冒頭に述べたさまざまな変化から生じる厳しい現実に直面しています。これは外部要因だけに起因するものではなく、当社グループがこれまでのビジネス構造から脱却できず、お客さまのニーズにお応えし切れていないという根本課題によるところが大きく、経営として強く認識し、猛省すべきであると考えます。 2025年は、この課題を解決すべく、中期計画のゴールである2028年度も見据えて、「従業員1人当たりの生産性向上」「お客様接点の拡大」「ニーズに応える独自ノウハウ」に注力してまいります。 「従業員1人当たりの生産性向上」については、営業・人事・ITの3つの改革テーマを掲げ、営業力の徹底的な強化、業務の分散と無駄の排除によるリソースの最適配置、さらに生産性向上をより高いレベルで実現するための新たな人事制度と中期IT投資計画の具体的な策定に着手し、2026年度からの実行につなげてまいります。 「お客様接点の拡大」については、経営統合後のトライアルとして立案したシナジーの仮説をベースに、両社の資源を最大限に有効活用した、新たなお客様との関係構築、提供価値の創造に努めてまいります。 「ニーズに応える独自ノウハウ」については、生成AIをはじめとする成長分野において、お客さまやパートナー企業様との協業による新しい価値を生み出してまいります。 これらをグループ全体の力とするため、早期の事業会社統合を視野に入れて具体化を図るとともに、志を同じくするアライアンスパートナーとの新たな接点も積極的に創出してまいります。 経営統合後、リョーサン菱洋グループに対しては、お客さまや仕入先さまをはじめ、ステークホルダーの皆さまから多くのご期待の声をいただいています。それにお応えするべく、従業員一同、行動指針である「貢献・協働・賞賛」にのっとり、課題に真摯(しんし)に向き合いながら、業績の回復と成長に向けて努めてまいります。