「親じゃなくても誰か大人に相談してほしい」いじめを経験したマキシマム ザ ホルモン ナヲが我が子に伝えたいこと #今つらいあなたへ
いじめは「家族にも相談できなかった」“本当のナヲちゃん”を知る人が支えに
――いじめられていたときに一番つらかったことはどんなことでしょうか? ナヲ: いじめられていることを家族に言えなかったことです。親に心配をかけたくなくて言えなかったんです。親も、陽気で明るいキャラの私の性格を知っているので、まさかいじめられているとは思っていなかったと思います。 転校すると、親は「今日は学校どうだった?」とか「友達はできた?」とか聞いてくるじゃないですか。それに対して「うん、友達もできたし、部活も楽しいよ」と嘘をついちゃってる自分がすごく嫌で。親に申し訳ないという気持ちが強かったですね。 弟にも言えなかったんですよ。2人の弟たちと3人で寝ることもあって、笑いながらファミコンのこととかどうでもいい話をしながら寝ていたとき、「こうやって弟たちと楽しく話してるけど、こいつらはお姉ちゃんがいじめられていることを知らないんだよな」と思ったら、寝ながらボロボロ泣けてきてしまって……。子どもながらに“明るくて元気なナヲちゃん像”を崩したくなかったのかもしれないです。 小学校のときも転校しているんですけど、そのときはすぐ友達もできたし、ずっと友達に恵まれてきた。転校してからいじめられていることを前の学校の友達にも言えませんでした。でも、ちゃんと話せば信じてくれたと思うんです。今になって話せばよかったなと思っています。 ――いじめられているときに、心の支えになっていたことは何でしたか? ナヲ: 親の友達の子どもとか、前の学校の友達とか、小さい頃からの友達とか、学校以外に友達がいたことですね。そういった友達にはときどきしか会えないけど、変わらずに接してくれる友達がいたことはすごく心の支えになっていたかもしれないです。 「生活の全てが今いじめに遭っている学校だけじゃない」「今の私は学校で話せる友達もいなくていじめられてずっと一人でいるけど、でも本当の私はこれじゃない」と思っていましたし、それを知ってくれている友達がいることが当時は嬉しかったです。そういった学校以外の友達がいなかったらもっとつらかったと思います。 ――どんなきっかけでいじめを乗り越えることができたのですか? ナヲ: 2年生になったときのクラス替えです。私がいじめられていることを知らない人たちと同じクラスになったんです。そこで新しい世界がまた広がって、やっと自分らしさを出せるというか、「ここで私は変わる」と決められた感じがしました。 振り返ってみるといじめられていたのは1年生の9月から3月までだったので、半年くらいだったのですが、当時の私からしたら10年くらいの感覚がありましたね。当時は自分の生活が家と学校が全てで、それ以外逃げ道がないと思っていたから、めちゃくちゃつらかった。だけど、学校だけが全てじゃないし、外に一歩踏み出せる扉が絶対にどこかにあるんですよね。