スバルの「新・水平対向エンジン」何が凄い? トヨタハイブリッドを独自進化させた“スバルらしさ” 新型「フォレスター&クロストレック」に搭載へ
水平対向は決して有利ではないが… スバルがスバルであるために残す!
2024年5月28日、トヨタ/スバル/マツダが合同で「マルチパスウェイワークショップ」を開催しました。 エンジンの可能性を信じる「3社が手を結んだ」と言っても、何かを一緒に開発するのではなく、「独自性は崩さず、しかしエンジン開発の悩み/困り事を何でも相談できる関係」と言う、「競争」と「共創」の精神での繋がりと言ったらいいでしょう。 【画像】「えっ…!」これが「新型クロストレック」画像を見る!(49枚)
ここでは各社の次世代エンジン技術がお披露目されましたが、その内容は三者三様です。 マツダは独自技術であるロータリーの可能性を示唆、トヨタはBEV時代のエンジンの在り方を考えた二つの新エンジン、そしてスバルは次世代e-BOXERがお披露目されました。 これまでスバルの独自技術の一つである「水平対向エンジン」は、様々なフェイズで刷新・進化が行なわれてきました。 これまで低重心、コンパクト、パワフルさ、独特なエンジンフィールなどは高く評価されてきましたが、その一方で燃費をはじめとする環境性能はと言うと物足りない部分も。 それはスバル自身もそれを大きな課題として認識、世代ごとに改善は行なわれてきましたが、残念ながら他メーカーと比べると差があったのも事実です。 そんなスバルも将来の電動化戦略を掲げています。 2024年5月13日に開催された「2024年3月期」決算発表会で2026年末までに4車種のBEV(トヨタとの共同開発)をラインアップすると公言しています。 ただ、直近のビジネスを考えると「内燃機関+電動化技術」、つまりハイブリッドの強化は必須でした。 現在、スバルには1モーターのパラレルハイブリッド「e-BOXER」をラインアップしています。 ガソリン車に対してリーズナブルな価格設定ではあるものの、アシスト量が少ない(10ps/65Nm)ため、肝心な燃費向上に関してはそこまで貢献していませんでした。そこで今回、大きなメスを入れたと言うわけです。 技術トップの藤貫哲郎CTOは「環境性能の事を考えると水平対向は決して有利ではありません。ただ、トヨタさん、マツダさんと一緒に話していると、逆に勇気づけられる事ばかり。スバルがスバルであるためには、この技術は絶やしてはならない。そんな想いがこのシステムにも込められています」と話しています。 更に大崎篤CEOは「カーボンニュートラル社会の実現に向けて、特にエンジンについて一緒にできる事は手を取り合い、共に未来を作る。そして、競い合うところは大いに競い合いエンジンを盛り上げていく。そんなトヨタさんとマツダさんの呼びかけに賛同した」と語っています。