「議事録なんて、パパッと書けばいい」と思っている人が「仕事ができない人」になる理由
「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか? ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。 ● 「議事録」を雑に書く人は「仕事ができない」理由 コンサル1年目に必ずやること、それが議事録の作成です。 コンサルティング業界では一般的なことであり、誰もが通る道です。私も25歳でコンサルティング会社に入社し、議事録作成の洗礼を受けました。 一般的に、議事録作成は誰でもできる簡単な仕事だと思われています。 しかし、私の場合1時間の会議の議事録を完成させるまでに10時間以上かかることはザラでした。 上司からは一言一句レビューされ、作成しては詰められ、修正し、提出を繰り返す「地獄の作業」となった苦い思い出があります。 なぜ、議事録の完成にここまで時間がかかったのでしょうか? それは、以下の点について何度も修正が必要だったからです。 ・レコーダーのように一言一句言葉通りに書き起こしてしまう 議事録は第三者が見た時に誰でもわかるように書かれていなければなりません。 たとえばとある部長が「そのようにしていこうと思う」と発言したとします。 しかし、「そのように」をそのまま議事録に書くのはNGです。 「そのように」が指し示している言葉に置き換える必要があります。 ・会議の発言順に書き起こしてしまう 議事録は、時系列に書いてはいけません。 会議中は論点が飛び飛びになることが多々あるからです。 会議開始10分に発言した内容と、45分前後に話した内容の論点が一緒であれば、同じカテゴリとしてまとめて記載する必要があります。 話の内容を常に構造化しながら整理しなければならないのです。 ・日本語が長すぎる 私が圧倒的に苦労したのが日本語の記載です。 議事録では本人の発言の意図を変えないように、かつ、一言でわかりやすくまとめた言い方に直すことが求められます。 しかし、どうしても長ったらしい日本語になってしまい、議事録を見る第三者を辟易させてしまいました。 議事録の仕上がりによってコンサルとしての素養を評価されることがあります。 議事録を見るだけで「あいつは仕事ができる・できない」と判断されるのです。 では、なぜコンサルでは議事録作成が重視されるのでしょうか? それは、議事録が論理的思考力を試される最強のアウトプットだからです。 議事録は「会話内容を書き起こすもの」と思われていることが多くあります。 しかし、実は違います。コンサル時代に求められていた議事録は、議論の要旨が端的にわかり、会話内容が明確で、ネクストアクションがまとめられているものです。 関係者が議事録を閲覧したときに、誰が見ても齟齬なく共通認識を持つことができ、話が構造化されて見やすい資料になっている必要があります。 具体的な発言内容を整理・分解し、話の結論を要約するための論理的思考力が、議事録には求められるのです。 ・会議の内容を討議テーマごとにカテゴリでまとめる ・各カテゴリごとに決定した事項を記載する ・その決定された根拠となる会話を記載する 議事録を書くことで、要約力と分解力を徹底的に鍛えることができます。 つまり、日々の議事録作成で構造化の訓練をすることで、コンサル脳がつくられるといっても過言ではありません。 (本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)
西原 亮