【毎日書評】いつも時間がない人へ。時間を操れるようになる「習慣化」の極意
『ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術』(望月俊孝 著、すばる舎)は、最先端のエビデンスに裏打ちされた「時間管理」「時間活用」の法則を明かしたものだそう。しかし、単なる時間管理・時間活用関連書籍ではなく、「なんのために生きるのか?」という人生最大の質問に答えるための書籍でもあるといいます。 あなたが人生で「本当に大切にしたいもの」は何ですか? 人生の時間をもっとそれに注げればいいと思いませんか? 本書はそんなお手伝いをするために書いた、まったく新しいタイムマネジメントの本です。 「時短する方法」のみを説く類書と異なり、あなたが「本当に大切にしたいものを大切にできる人生」をゴールにしています。(「はじめに」より) 著者は過去、時間管理について大いに悩んだ経験があるのだとか。そこで10年以上にわたって「時間術」を研究し、行動科学や心理学を応用しながら、成果に直結する時間管理を「本当の時間術」として体系化したというのです。 ちなみに執筆に際して心がけたのは、2つの「E」だそうです。 1つ目は“Episode(逸話)”。自身が人生の転機において、どのように考え、どう行動したかについて“リアルに”書いているわけです。そして2つ目は、Evidence(学術的根拠)。過去30年間、多額の自己投資をし、各分野の第一人者から学んだことを余すことなく反映しているということです。 そんな本書の第4章「『習慣化』で、時間を操る者になる」のなかから、2つのポイントを抜き出してみたいと思います。
時間を味方につける「習慣化」の極意とは
× 一定の日数の間、ひたすら行動を繰り返すこと 〇 過去に習慣化できた行動を振り返ってみること (118ページより) 時間を味方につけるためには、「習慣化」が不可欠。習慣化した行動は、自分の内外の状況に関係なく、意識せずに実行することができるわけです。したがって、なにか成果を出したい方には必須のスキルだということ。 このことに関連して著者は、2019年にクリアーシンキング社が発表したという「習慣化」についての研究結果を引き合いに出しています。477名の参加者に、毎日の運動や勉強についてなにかひとつ、習慣化にチャレンジしてもらったというのです。 参加者の一部には、定評のある習慣化のテクニック22種のなかから5つを試してもらったそう。そして4週間後、研究チームは集まった1256件の記録を分析。その結果、習慣化にもっとも役立つステップが判明したといいます。 【ステップ1】 まず「なぜ、その行動を習慣化したいのか?」想いを再確認します。 数か月、数年、その習慣が続くと人生はどのようによくなると思いますか? また習慣化することで、リスクがあるとしたらどんなことでしょうか? 将来、自然とその習慣をこなす自分にワクワクしているならば、ぜひやってみましょう。(119ページより) 逆に、あまりピンとこない場合は、無理に始めるのではなく、最初に「本当にやるべきか」考えなおすといいようです。(118ページより) 【ステップ2】 次にやってほしいのが「自分の習慣の振り返り(リフレクション)」です。過去に習慣化できたことを振り返り、そのとき何を心がけていたかを思い出してもらい、現在の習慣化の計画に反映します。(120ページより) 研究チームは、「振り返りは、22個の習慣化テクニックのなかで、ダントツの優れた効果を発揮していました」と述べていたそうです。(118ページより)