「シリーズ:美術批評を読む」が開催。美術批評の現在地をレクチャーと討議で探る
塚田優(評論家)と南島興(横浜美術館・学芸員)による共同企画「シリーズ:美術批評を読む」がスタートする。第1回となる「批評家が批評を読む」が7月28日に開催される。 本企画は、現在の美術の各シーンで活動するキーパーソンたちが、過去の批評をどのように読んでいるのかを問い、任意の論者についてレクチャーしながら共同討議を行い、批評の現在地を探るものだ。 レクチャーでは、様々なプレーヤーたちが自らが参照する、もしくは批判対象とする論者について検討することで、批評の歴史的なつながりを明らかにするとともに、見えなくなった批評の系譜をたどり直すことで、自ずと同時代の批評の姿を明らかにすることが目指される。 第1回となる「批評家が批評を読む」は7月28日にネイキッドロフトヨコハマで開催(オンライン配信あり)。きりとりめでる、沢山遼、塚田優が登壇し、南島興が司会を務める。 きりとりめでるは1989年⽣まれ。デジタル写真論の視点を中心に研究、企画、執筆を⾏なっており、著書に『インスタグラムと現代視覚⽂化論』(共編著、BNN新社、2018)がある。今回のレクチャーでは多木浩二論を展開。 沢山遼は1982年岡山県生まれの美術批評家。2009年「レイバー・ワーク―カール・アンドレにおける制作の概念」で美術出版社主催「第14回芸術評論募集」第一席。単著に『絵画の力学』(書肆侃侃房、2020)がある。今回のレクチャーでは宮川淳論を発表。 塚田優は1988年生まれ。主な共著に『グラフィックデザイン・ブックガイド』(グラフィック社、2022)、最近の論文に「1980年代におけるイラストレーターの社会的立ち位置とイラストレーション言説をめぐる研究」(『DNP文化振興財団学術研究助成紀要』第5号)がある。 南島興は1994年生まれ。横浜美術館学芸員で全国の常設展をレビューするプロジェクト「これぽーと」運営。時評番組「みなみしまの芸術時評」も主宰する。 以降も2か月ごとの開催を目標に、アーティストや学芸員といった様々なプレイヤーをテーマごとにゲストとして呼び議論を深めていく予定だ。