1on1の課題や不満を改善し、上司との1on1を効果的なものにするには?
近年、「1on1」を実施する企業が増えています。その一方で、「1on1は苦手」「話すことがない」といった不満の声も聞かれます。1on1を苦痛に感じるのはなぜなのか。効果的な1on1を実現する方法について、組織開発・働き方改善のプロである椎野磨美さんに聞きました。
1on1とは?評価面談やミーティングとどう違うのか
1on1(ワンオンワン)とは、狭義では組織のマネジャー(上司)とメンバー(部下)が1対1で定期的に対話をすることです。広義では、マネジャーとメンバーの1on1だけでなく、同僚やメンターと1対1で定期的に対話をすることも含みます。 例えば、部門や組織の枠を超えて、キャリアや人間関係、モチベーションなど仕事に関わる話だけでなく、プライベートな相談事も含めてメンターと定期的に対話をすることも1on1になります。 評価面談は、マネジャーがメンバーの目標や課題の達成状況に応じて評価することが目的。業務のミーティングは、進捗状況を共有し、業務に対する判断や指示を仰ぐことが目的。どちらもマネジャーがリードする形が一般的です。 これに対し1on1は、対話を重ねることで個人や組織をよりよい状態(ウェルビーイング)にする、一緒に働く人同士が共に成長する、相互理解を促進することが目的。情報交換や相手を知るための場ですから、どちらかが一方的に評価をしたり指示をしたりするものではありません。 話すテーマも、仕事の上での情報共有や相談もありますし、将来のキャリアやスキルの相談、今後やってみたい仕事、プライベートに関すること、体調や人間関係など多岐にわたります。「働くこと」を人生の中の一つの活動と捉えると、直接業務に関係がないように思えることも含め、どのように成長し、可能性を拡げていきたいかを話す場なのです。 そして1on1は少なくとも月に1~2度、定期的に実施します。なぜなら、定期的に実施することで今の状況や変化を把握することができるからです。例えるなら、日々体重を測ることで健康を管理したり、定期的に健康診断を受けたりするようなものです。