1on1の課題や不満を改善し、上司との1on1を効果的なものにするには?
1on1を「意味がない」「無駄」「苦痛」と感じてしまう理由
1on1をしても話すことがない、何を話していいかわからなかったり、無駄な時間と感じたり、あるいは、マネジャーが一方的に話すだけになってしまうのはなぜでしょう。3つの理由が考えられます。 ◆1.目的のズレ:1on1 の目的を理解していない 組織の1on1の目的が明確になっていない、組織の共通認識として浸透していない、マネジャーやメンバーの1on1への誤解がある。 ◆2.期待値のズレ:スキル不足と認識の不一致 コミュニケーションはスキルとして磨き続ける必要があるが、双方がスキル不足のまま実施されている。メンバーが「具体的なアドバイスがほしい」「一緒に考えたい」と期待しているにも関わらず、マネジャーが傾聴ばかりしているといった、求める期待と対応が一致していない。 ◆3.方法のズレ:改善サイクルが機能していない 属人的な個々の認識や能力で行われ、データに基づく改善のサイクルが回せていない。考え方(思考)や感じ方(感情)は人によって異なるにも関わらず、画一的な方法でおこなっている。
1on1を効果的で意味のある時間にするには
“煙たい上司との面倒な時間”を脱却し、うまくいかない理由を解消して、効果的な1on1にするためのポイントを5つ紹介します。 ◆1.モヤモヤを言語化して文字化する 何を話したらいいのかわからない対策として、「自分は今、何に困っているのか」や「日常で感じる素朴な疑問」を書き留めておきましょう。 例えば、「あなたはどうしたい?3年後どうなりたい?と尋ねられても、そのこと自体がイメージできない」「隣の部署のAさんとBさんのやり取りが気になる」「チャットの指示にリアクションによる応答だけではダメなの?」、など何でもいいのです。 日々のモヤモヤをメモに書きためておきましょう。特に、漠然とした不安や焦りを感じた時は、「どのようなことを見聞きして、そう感じたのか?」をメモしておきます。 もちろん、すぐに解消した方がいいことは、その場で解決が原則ですが、今すぐ聞かなくてもいいけれど、次回機会があったら聞いてみたいことなどを、言語化・文字化することで、身の回りに起きていることに距離をとり、第三者として見られるようになります。 ◆2.自ら申し込んでみる 1on1の設定も、マネジャーから言われるのを待つだけの受け身でいるのではなく、自分からマネジャーや先輩に1on1を申し込んでいいのです。タイミングをつくって1on1を依頼し、対話する習慣を身に付けることで、能動的に課題に取り組む、自立自走型のビジネススタイルを身に付けましょう。 また、感情マネジメントが苦手な相手と1on1をする場合、自ら申し込むことで、お互いの感情が落ち着ている曜日と時間を見極め、1on1を設定することも可能です。 ◆3.期待値をすり合わせる 申し込む際に、今回の1on1でどうしたいのか、何を期待するのかをすり合わせておくことも大切です。 例えば、今回はまず気持ちを聞いてほしいのか、意見を聞きたいのか、具体的なアドバイスが欲しいのか、「こんなことについて、どうしたい」を事前に伝えることで、マネジャーも事前準備ができます。 期待値を伝えておくことで、見当違いな意見や対応が減り、期待値のギャップを軽減できます。 ◆4.不平不満は提案とセットで話す 困っていること、素朴な疑問、不平不満といったモヤモヤを、解決策(アイデア)とセットで話す提案型コミュニケーションに変えることで、ビジネスにおける提案力や交渉術を磨く助けにもなります。「○○がやりづらいのですが、□□に変えられないですか?」または「ほかのやり方を検討していただきたいです」といった具合です。 ◆5.実施した後は感想とフィードバックを伝える 1on1を双方にとって価値ある時間にするためには、1on1の実施後の振り返りが大切です。メールやチャットなどで気軽に感想を伝えるのもいいでしょう。 「ほっとしました」「助かりました」「スッキリしました」「次回、この点についてもう一度話したいです」など感想を共有することで、自分自身の整理になります。また、相手にとっても何が良くて何が足りなかったのかを意識してもらうきっかけになるでしょう。 とはいえ、相手がマネジャーの場合、直接フィードバックすることが難しいと感じる方も多いでしょう。1on1支援ツールを使うと、どのような感想を持ったかを共有したり、複数のフィードバックを統合して可視化したりできます。 1on1支援ツールを使うことで改善点がわかりやすく、期待値ギャップの解消がしやすくなるので、双方の満足度も高くなります。効果的な1on1の実現のために1on1支援ツールを導入する企業や組織が増えている背景には、そのような理由があります。