S東京ベイ、黄金時代と新スタジアムを! 2028年、設立50周年へ大きな目標を設定!!
目指すのは黄金時代である。10月5日、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの2024-25シーズン方針発表記者会見が行われた。前川泰慶新GMはふたつの目標を力強く語った。 【PHOTO】根塚洸雅、為房慶次朗、オリー・ストーンハム、タイラー・ポール、ツヨシ ジニングスら 「達成したいミッションはふたつある。ひとつは黄金時代を作りたい。2022-23シーズンで初優勝できたが、日本を代表するクラブは連覇している。連覇をして日本を代表するクラブになりたい。『リーグワン』になって連覇したチームはいない。それは並々ならぬこと。昨季6位と身を以てその難しさを知っている。今季スコット・マクラウドACが入り、世界有数のコーチングスタッフを揃えられたと思っている。一体感、ファミリー感を大事にしながら黄金時代を作りたい。 もうひとつはホストスタジアムをしっかり持ちたい。地域に根差し、ファンを広げていき、持続可能なプロチームになっていきたい。まだまだ課題はあるが、失敗はないので、チャレンジしていきたい。スピアーズ設立50周年となる2028年までにふたつの目標を達成し、花を添えたいと思う」 GMの座を前川に譲った石川充ビジネススポンサーシッププロデューサーは新スタジアムについて補足した。 「若い前川さんがGMになって、横からサポートしたいし、あと10年何ができるか考えていきたい。えどりくのネーミングライツなどしてきたが、まずは江戸川区とコミットして、ファンとしっかり関係性を築きたい。点で終わるのではなくしっかりつながりを深めていく。みなさんで集まる場所が1万5000人収容できるホストスタジアムであればと思っている」 ファンの間口を広げるために、新たなファンクラブ・Spears+(スピアーズプラス)を運用。年会費3000円の1プライス制で入会のハードルをぐっと下げた。岩爪航広報は「ファンクラブで収益につなげるのではなく、ファンクラブに入ってもらって来場につなげたい」と戦略を明かした。 フラン・ルディケHCも登壇、優勝から一転6位となった昨季からの巻き返しを誓った。 「昨季三つの学びがあった。ひとつはスロースターターだったこと。ケガ人も多く、100%ではない選手もいた。ただいい形でシーズンフィニッシュをできたのはクボタの文化であり、若手が出てきたのもポジティブな点。だが1週だけではなく、シーズン通して戦うメンバーが出てくる必要があったのも学び。 今季のスローガンは『TAKE YOUR SHOT』。昨季明らかにスコアすべきところでスコアできなかった。もう一度アタッキングマインド、攻撃的なマインドを思い出さないといけない。一貫性を持ってベーシックなプレーを貫けば、マジックプレーも出てくるだろうし、結果も付いてくると思う」 ルディケHCは新キャプテンにNO8のファウルア・マキシを指名。マキシはコメントを寄せた。 「フランHCから主将を任命された時は、少し悩んだ。その理由は、これまで主将を任された経験がなく、プレッシャーに感じたから。しかし、こうして主将を任されることはとてもありがたいことであり、成長にもつながる。また、前主将のハル(立川理道)さんからの後押しもあり、主将になることを決断した。言葉だけではなく自分のプレーでチームを引っ張り、みんなと共に成長してスピアーズの新たな歴史を作りたい」 オールブラックス10キャップを数え、東芝でもプレーし、ニュージーランド代表ディフェンスコーチとして2度の『ラグビーワールドカップ』も経験したスコット・マクラウドACはS東京ベイ入りの決め手をこう語った。 「クボタがどんなチームか尋ねると、誰に聞いても『ファミリーだ』という答えが返ってきた。選手は仲がいいし、スタッフも近い距離で仕事をして、とても好感を持っている。変化は成長につながるし、日本でコーチをしたいと思っていた。フランからコンタクトがあり、優秀なコーチがいて、勝ちたい意欲が強くて、チームはファミリー的な関係で、ファンとの関係も密だと感じたので、その先の決断は簡単だった」 S東京ベイ入りの理由を問われた新加入選手たちはこのように返答した。 FL/NO8オリー・ストーンハム「イングランドでプレーしていたが、フランと話して、パッション、バリュー、チーム内の競争のエキサイティングさで決めた。人として成長できるチャンス。環境が違い、言葉が違い、コーチも違う中どれだけできるかというチャレンジ」 LO/NO8タイラー・ポール「ストーンハムの言ったことと似ているが、フランから話を聞いて、外から見ていいチームに見えたし、優勝できるところでプレーしたいと思った。浦安D-Rocksでプレーしてきたが、ディビジョン1で優勝を目指せるところでプレーしたいと思った」 WTBツヨシ ジニングス「ふたりと同じようなコメントになるが、クボタのチームを見た時、いいコーチがいて、いいマネジメントがあり、いい環境が整っている。オンフィールド、オフフィールド含めて自分が成長できるとチームだと感じたから」 さらに新ジャージーお披露目として新たな戦闘服に身を包んだWTB根塚洸雅とPR為房慶次朗が登場。ふたりは日本代表での経験をどのようにS東京ベイで生かすか、抱負を語った。 根塚「僕はエディー(・ジョーンズ)さんのところでラグビーをして成長したと思うのがワークレイトのところ。ゴールデンエフォート、次の仕事にどう早く向き合うか、徹底してやってきた。ワークレイトはどのチームでも必要なので、ワークレイトを研ぎ澄まして新シーズンに臨みたい。 去年初戦の立ち上がり、接戦で勝ち切れなかったことで、シーズンの流れを作ってしまった。このオフシーズン、今年のクボタがどんなラグビーをするのか同じ絵を見て、土台をつくり、トレーニングマッチでクボタのラグビーを理解して、みんながやっていくことが大事。自分の役割を突き詰めていくことが大事だと思っている」 為房「僕はエディーさんのところで接点の強さ、大きな外国人へのタックル、ボールキャリー、スクラムを学ばせてもらった。今季のクボタでも生かせると思う。 昨季は5試合、フルシーズンでやるのが初めてだが、『リーグワン』のレベルは経験できているので、今回のシーズンは前回学んだことを生かしていきたい。接戦になったらFWの接点が重要になるので、セットプレーやゴール前で見せられればと思っている」 S東京ベイは10月12日(土)・スピアーズえどりくフィールドにてクリタウォーターガッシュ昭島とブレシーズンマッチを実施。観戦無料。12月22日(日)・秩父宮ラグビー場での『NTTリーグワン2024-25』開幕戦・トヨタヴェルブリッツ戦へ向けて準備を進める。