「地域の役に立ちたい」二重被災の町で唯一のスーパー 店を開け続ける家族の思い
テレビ金沢NEWS
元日の地震で被災しながら1日も休まずに営業を続けたスーパーが輪島市にあります。しかし、店は再建の途中、豪雨災害で再び大きな被害を受けることに。それでも町に一軒だけのスーパーを開け続けたいと願う家族の姿を追いました。
その場所は、もはや車で行くことはできませんでした。道路には濁った水が流れその脇には、大量の土砂と流木。ここは輪島市町野町。
車を捨て、1キロほど歩いた先にそのスーパーはありました。流木が、ガラスを突き破り、泥に覆われた店内。押し寄せた水は背の高さを超えていました。
この9か月前、元日に石川を襲った能登半島地震。店は倒壊こそ免れたものの、多くの住民が町の外へ出ていき、客は激減しました。
もとやスーパー2代目・本谷 一郎 さん: 「必ず戻って来いよ。待ってるぞ」 住民が地元に戻ることを願う2代目の本谷一郎さん。 買物客: 「何時から何時までですか?ちなみに」 妻・本谷 理知子 さん: 「太陽が上がって沈むまで」
経理からレジ、商品の陳列まで、なんでもこなす店の要、妻の理知子さん。 「よっしゃよっしゃ」
そして、スーパーの経営再建を模索する息子で3代目の社長、本谷一知さん。 もとやスーパー3代目・本谷 一知 さん: 「将来描いているビジョンとしては、奥能登の人全体、全部、友達になりたい。移動スーパーを通じて」 停電が続いても… お客さんが来なくても… 「いらっしゃい」
建物で寝泊まりしながら元日から1日も休まず本谷さん一家は、店を開け続けました。 少しずつ仕入れを増やし… 従業員が戻り… 明るい兆しが見え始めていたもとやスーパー。
本谷 一郎 さん: 「今までこうやって育ててもらって店舗も持ってたのは、この周りの人たちのおかげだと思っている。その恩義はもう忘れない」 必要とされる限り町に一軒しかないスーパーをこれからも開け続けたい。それが本谷さん一家の願いでした。
しかし…ことし9月。能登は未曾有の豪雨に襲われました。いたるところで、河川が氾濫。もとやスーパーにも… 「えー浸水してきました」 水かさは、みるみるうちに増していき… ものの10分で…