更年期世代が悩みがちな冷え ショウガだけではない 積極的に取り入れたい食養生とは
下半身、末端の冷えにはシナモン
更年期の女性は筋肉量が減りやすく、全身を温める力が弱くなって、下半身や手足など末端の冷えを感じやすくなります。そういった冷えのタイプには、末梢血管を拡張する成分が含まれるシナモンがおすすめです。 シナモンというと、お菓子やスパイスカレーなどの香りづけに使うイメージがあるかもしれません。しかし、漢方では「桂皮」と呼ばれ、冷えや血行の改善のために生薬として用いられるものです。シナモンを取り入れることで、手足の先まで血液をめぐらせる作用が期待できます。同時に、冷えによる腰痛や関節痛などの痛みも和らげてくれるでしょう。 市販されている粉末のものを常備しておけば、紅茶やコーヒーにパッと入れて飲むことで、手軽に養生ができます。甘味を加えたいなら、体を温めるとされるハチミツや黒糖がおすすめです。寒い夜は、ホット赤ワインにシナモンを入れて楽しんでみては。ちなみに、赤ワインには、体を温めることによる血流改善や、腎の機能を高めて老化を防ぐ効果が期待されています。
体全体、お腹の冷えにはショウガ
更年期の女性のなかには、体全体が冷えている、または胃やお腹が冷えやすい人もいます。そのタイプの冷えに向いているのは、ショウガです。 ショウガは、主に胃を温める作用が強い食材です。また、風邪のひき始めでゾクゾクする悪寒があるときにも良いでしょう。 生のまま使うより、乾燥させた状態の「乾姜」のほうが、体の芯から温める力が強いです。漢方では広く利用されています。家庭で作る場合、皮付きのままスライスしたショウガを蒸して、その後、天日干しにしましょう。料理に活用したり、紅茶など温かい飲み物に入れたりして、日々の食事に取り入れてみてください。
かみむら 佳子