男性化粧品の先駆け「他社とは男性について知っている情報量に違い、特に中高年から信頼感」…マンダム・西村健社長
男性化粧品の需要は年々拡大しており、関心を持つ若い世代が増えている。マンダムは「ギャツビー」を始め、先駆けとなるブランドを生み出してきた。8月には、55歳以上をターゲットにした新しい化粧品のブランドを発表している。成長戦略について、西村健社長に話を聞いた。(聞き手・岡田実優)
人口減、多くの会社が影響
――化粧品業界の業況をどうみるか。
「国内市場は、コロナで受けたダメージから徐々に回復している。ただ、世界全体で見ると、低調なのではないか。海外からの輸入が増え、老舗と言われる国内大手の出荷数量は減っている。
アジアはコロナ禍の回復が早かった。国によって優勝劣敗があり、中国は調子が悪い。当社は幸い中国がそこまで強くないが、インドネシアは課題があってあまり良くない。マレーシアやタイ、シンガポール、台湾はコロナ前の実績を超えて成長しており、トータルではさほど悪くない」
――国内市場が弱いのはなぜか。
「たとえば、シャンプーやスキンケアは、以前と違って性能が良くなった。3プッシュ使っていたのが、1プッシュで済む。単純計算で使用量が3分の1になる。ESGの観点で、無駄遣いをやめ、きちっとした量で使っていこうという生活者の意識も強まっている。
人口減は、おそらく多くの会社が影響を受けており、当社もこの先受けることになると思う。当社が特殊なのは、男性化粧品が中心なので使い始める人が増えており、深刻な影響はないのではないかと思う。
ただ、化粧品は女性で成り立ってきた業界なので、結果として人口減の影響を受けてしまう。各社が単価の高いものを作るため、当社もシフトせざるを得なくなる」
――男性化粧品の先駆けだ。御社の強みは。
「割と今は、こういう男性像になりたいというあこがれがあるわけではない。デジタル社会が広がってそれぞれが情報を発信し、自己主張できるようになり、自分がなりたい姿を広く持てる多様性の時代になった。カメラの性能が良くなってSNSの発信でよりきれいに見せたいという人もいる。