不機嫌な時は隠さず「事前宣言」で職場の人間関係が変わる
うまくいかないときは、 ちょっと一息入れよう
パスカルさんに日本語を教えているときに、便利だからどうしても知っておいてほしい日本語などがあると、私も熱が入ってしまいます。だからパスカルさんが難しい顔をしていても、ごり押しして説明をしてしまうときがあります。 でも結局、パスカルさんの顔がさらに難しい顔になり、そこで自分も我に返り、引き下がります。そして、私は教えたいけれど、相手にとってその言葉は本当に必要なのかを考え、必要がなければ、そこでやめておきます。もし、やはり伝える必要があると思ったときは、また違う教え方の方法を冷静に考えて、そのタイミングが来るのを待ちます。 Reculer pour mieux sauter. よりよく跳ぶために一旦後ろにさがる たとえば、仕事の企画や提案などで、あと一歩なのになかなかうまくいかない、というとき。力ずくで相手を負かしてしまうと、後から反動が来ます。そして人間関係にもそれが影響し、その関係性が場の雰囲気にも出てしまいます。 もし、議論の場で膠着〈こうちゃく〉状態になったら、一旦自分から身を引いて、冷静になりましょう。そしてもう一度最初から自分の企画提案を見直してみましょう。自分本位になっていないか、もっとよい提案の仕方がないかを見直して、再度、絶好のタイミングを待つのです。 子どもの頃、大きな水たまりを前にして、飛び越えようとしたことを思い出してみてください。勢いをつけるために、まず数歩後ろにさがり、水たまりの大きさを確認してから、一気にジャンプしたのではないでしょうか。仕事の課題も水たまりと一緒だと思えばいいのです。 「思ったより大きな水たまりだ」と思ったら、逆に思い切りさがって、準備したほうがいいのです。一旦さがることは悪いことでも負けでもありません。むしろ課題が大きければ大きいほど、大きくさがって助走をつけたほうが、よりよく跳べるのです。
パスカル・フロリ,セドリック・フロリ,前田康二郎(流創株式会社代表取締役)