【和希そら】「自分を好きでいてあげることがハッピーに生きる秘訣」宝塚退団後の新生活を明かす
今年2月に宝塚歌劇団を退団した和希そらさんが、満を持して退団後の活動を開始。ファンクラブなどでもファンの方々との絆を深めつつ、秋にはミュージカル「9 to 5」への出演も。インタビュー後編では、和希そらさんが改めて振り返るこれまでのこと、そして新生活についてもたっぷりと語っていただきました。 和希そらの新境地! インタビューフォトギャラリー ●和希そら 1992年10月5日生まれ、岡山県出身。2010年 宝塚歌劇団入団後、宙組へ配属。2018年「ハッスル メイツ!」で初主演を務め、2021年「夢千鳥」主演、雪組へ組替え。歌、踊り、芝居の三拍子揃った技術力に加え、どこか憂いのあるスタイリッシュな舞台姿でも人気を集めた。2024年2月11日、宝塚歌劇団を退団。2024年10月にミュージカル「9 to 5」への出演が決定。
■「一度きりの人生を後悔なく楽しんで生きる」というのがモットー ――退団されてから約4カ月になりますが、燃え尽き症候群になったりなどはありませんでしたか? それは全然なかったです。退団を決めてからもずっと通常通りでしたし、千穐楽も、その後も、変わらず楽しく幸せに暮らしています。 ――和希さんにとって宝塚とはどういう場所でしたか? すべて、でした。ありがたいことに、ほぼ毎日絶対に公演かお稽古があって、お休みの日でも作品に関わる何かのお勉強をしているかレッスンをしていて、外部の舞台を観に行くにしても、それを観ることで自分が次にどうするかという糧になっていました。観劇自体を純粋に楽しむというより、どこかで「自分がやるならどうやってやるだろう」と無意識のうちに考えていましたね。 オフでやっていることも、結局すべて舞台のためになっていたと思うので、すべてを捧げたという感じだったと思います。私はそもそも舞台自体が大好きなので、本当に幸せな環境でした。 ――そういった日々は楽しいながらも大変だったと思うのですが、自分を健やかに保つために気を付けていたことなどはありますか? 私、忙しくしているほうが好きなんです。そのほうが性に合っているというか。たとえば、スケジュールが立て込んでても、人から大変だねと言われて初めて、あー大変なんだ?と思うくらいで、基本的に最高だなーと思ってます(笑)。そしてその中でより楽しむ方法を見つけるのが好きです。 自分の中でいつも思っているのは、たとえば「腹筋を30回してください」と言われたときに、「しんどいなぁ」って思いながらやるのと、「これはここに効くぞ!よーしっ」と思ってやる、いずれにしても30回やらなきゃいけないのは同じだから、それなら後者のマインドのほうがハッピーですよね。この理論でずっとやってきました。 「一度きりの人生を後悔なく楽しんで生きる」というのが私のモットーなんですが、それは『アナスタシア』という作品で私が演じた役・リリーのセリフだったんです。何事もどうせやるのなら、楽しいほうがいい、じゃあ今、何がしたい?という考え方が軸になっていて、それに基づいて行動しています。 ――落ち込んだり、くじけそうになったりしたときにはどうされていますか? 何か落ち込むことがあっても、そこから這い上がるのがとにかく早いです。切り替えが本当に早い。変わらない何かを考えても仕方がないと思うので、あとはそれをどう今後に生かすか。1秒でも早く、よりよくするためにはどうしたらいいかということに時間を使ったほうが得ですからね。 そして、私には悩んだときに相談できる相手がいて、その人たちを心から尊敬して、信頼できているんですよね。そんな人たちがいることがとても幸せだと思っていますし、本当にまわりの人に助けられながら生きているなって思っています。 ■自分をちゃんと好きでいること。それがハッピーに過ごす秘訣 ――新生活についてもお聞きしたいと思います。東京での生活にはもう慣れましたか? はい。丁寧に、質のいい暮らしをしたいと思っているので(笑)、朝起きて何を食べるとか、どういうお部屋の状態で過ごすとか、そういうところに気を配りながら生活しています。お部屋はキレイですよ。モノも少なく、かなりシンプルなインテリアです。 ――ちなみに、現役時代は46℃だったという、最近のお風呂の温度って…… (笑)。41℃です。普通だと思います(笑)。 ――こだわりの生活グッズはありますか? 寝具は自分の体に合う、現役時代から使っているマットレスを愛用しています。あとは、一年くらい前に買ったダイソンの掃除機。これは本当に買ってよかったと思いますね。あと、粉末の青汁は毎朝お湯に溶かして飲んでいます。 ――自炊はされるんですか? 今は基本的に体のメンテナンスご飯が中心です。私は飽きるまで、毎日同じものを食べられるので(笑)、最近はずっとオートミールを使ったものを作って、食べています。 ――退団されてから、メイクやファッションも変わりましたか? 以前よりメイクはナチュラルな感じだと思います。できるだけナチュラルに生きたいので(笑)。 男役をしているときもそうでしたが、口紅がすごく好き。わりと宝塚の男役の方ってヌードカラーの口紅を選ぶ方が多いのですが、私はわりとしっかり色がついているものを選んでいましたね。 ファッションは現役中に使っていて、今もそのまま着ている服もあります。これまでも自分に合うかどうか、そのときのお洋服に合うかどうか、そういう基準で選んできたので、TPOはもちろんありますが、現役のときからそこまで“ガッツリ男役”というお洋服中心ではなかったと思います。 ――なるほど。男役からシームレスに今に移行されているイメージなのは、そういう和希さんの姿勢にあるのかもしれませんね。 そうかもしれません。男性らしい部分と女性らしい部分って、誰でも持ち合わせているものだと思うんです。それを“女性らしい”“男性らしい”というふうにわけるのもまた違うと思うのですが、現役時代、もっと言えばそれより前から持っている、自分の中のクールな部分、というのは別に変えなくてもいいかなって。とにかく、ありのまま、自分らしく。ナチュラルに生きていきたいと思っています。 ――和希さんは宙組から雪組への組替えも経験されていますよね。人間関係の変化にも対応してこられたと思うのですが、新生活が始まって少し経ち、人間関係に悩んでいるような読者にアドバイスをいただけますか? 私、実はとても人見知りなんです。だから、どうアドバイスできるのかわからないのですが…。大切なのは、自分をしっかり持つということでしょうか。 私、自分の軸みたいなものが基本ブレないんです。自分の芯はしっかり持ちながら、一方で関わる人によって自分の知らなかった部分を知るチャンスもありますよね。だから自分をしっかり信じつつ、人の意見にも耳を傾ける。それによって、新しい環境が自分をレベルアップさせてくれると思います。 そして他人には期待しすぎないこと。たとえ自分と考え方の違う人に出会ったとしても、こういう人もいるんだって、受け止められるようになると思います。 「人は人、自分は自分」というのも、もうひとつの私のモットーなのですが、他人は他人だから仕方ない、ってある意味割り切りながら、その中でどうすれば自分が幸せでいられるかを見つける。少しでも自分が幸せな気持ちで、機嫌よく過ごせる方法を探りますね。そのためにも、自分をちゃんと好きでいてあげること――それが大切なんじゃないかなと思います。 トップス、ビスチェ、パンツ/ルシェルブルー総合カスタマーサービス シューズ/Christian Louboutin イヤリング、リング/ともにスタイリスト私物 撮影/嶌原佑矢 ヘア&メイク/岡田知子 スタイリスト/Sayoko Abe 取材・文/前田美保 企画・構成/渋谷香菜子
■ミュージカル 「9 to 5」 明日海りお、平野綾、和希そらが演じる3人の女性社員が、別所哲也演じるハラスメント社長への復讐作戦を開始して…。現代を生きる全ての女性に贈る痛快ミュージカル・コメディ。 2024年10月6日(日)~10月21日(月)に日本青年館ホールにて上演。大阪、福岡、静岡と巡演予定。 【公式サイト】https://9to5.jp/ 【公式X(旧Twitter)】@9to5_2024 【公式Instagram】@musical9to5_2024